【ソウル発】韓国の中堅携帯電話ベンダーであるVKが、中国市場での価格競争による無理な割引、ウォン高と販売台数減による資金難でついに倒産した。VKは1997年、「バイアブルコリア」という携帯電話バッテリーメーカーから01年に携帯端末の製造業に変身したベンダー。学生活動家出身の企業家として成功した社長のサクセスストーリーでも有名だったが、たった9年で寿命が尽きてしまった。

 VKは当初、順調に成長しているかのように見られていた。中国の携帯電話ベンダー「チァブリッジ(Chabridge)」を02年に買収し、韓国のベンダーでは初めて中国にヨーロッパ方式(GSM)携帯電話を自社ブランドで販売した。翌年にはCDMA方式の端末を発売し、国内市場にも進出した。

 自社ブランドで中国市場を攻略し、低価格の携帯に特化する戦略が功を奏して04年には売上高3800億ウォン、営業利益230億ウォン、輸出3億ドルという驚異の実績を記録したが、売上高4000億ウォンを目前にした昨年から傾き始めた。

 中国市場では熾烈な価格競争によって採算性が悪化し、利益が全く残らなくなった。昨年は莫大な開発費用を投入して厚さ8.8mmの超薄型携帯を発売したほか、100億ウォンあまりを投資してフランス「ウェイブコム」社のGSMチップ開発部門を買収し、何とか持ちこたえようとがんばったが、営業損失58億ウォン、純損失649億ウォンの赤字だけが残った。

 業界ではVKがモトローラに売却されるという説も噂されている。モトローラは3月からVKを買収するための調査を実施するなど関心を示していたが、単純なODM供給業者として活用する可能性もあるといわれている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)