【ソウル発】120万人分の住民登録番号を盗用し会員登録する事件を傍助した疑いで、関連オンラインゲーム社の役員が刑事立件された。韓国で初めての事例である。

 警察庁サイバーテロ対応センターはオンラインゲーム「リネージュ」で問題になった大規模名義盗用事件の傍助責任を問い、NCソフトの個人情報保護責任者である副社長を住民登録法および情報通信網法違反などの疑いで非拘束立件した。

 NCソフトの副社長は昨年10月から今年2月にかけてゲームアイテム売買仲介サイト運営者7人が120万人分のうち約28万人分の名義を盗用し、リネージュに会員登録したのを傍助した疑いを受けている。

 警察庁は昨年9月、アイテム仲介サイトの作業場を摘発し、盗用された住民登録番号5万6000件をNCソフトに通知し、名義盗用遮断のために同一IPからの大量接続遮断、VPN接続遮断などを要請したが、会社は何の措置もとらなかった。警察はまた、名義盗用で28万人分のIDをつくり、ゲームアイテムを獲得して売買した疑いでアイテム仲介サイト運営者7人も非拘束立件した。この仲介サイトがアルバイト約100人を動員し違法売買したゲームアイテムは142億ウォンにのぼる。

 ゲームアイテムはオンラインゲームをプレイしながら獲得するサイバーマネーや武器、魔法の指輪など、ゲームのキャラクターを成長させるための道具である。

 警察関係者は、「NCソフトは数千、数万人分の使用料が同じ口座番号からいっぺんに振り込まれ、同じIPアドレスから大量のIDでゲームにアクセスしているなど明白な名義盗用証拠を把握していながら、また警察から通知があったにもかかわらず措置を取らなかった」と立件の背景を説明した。

 もし傍助の疑いが事実と確定した場合、NCソフトは名義盗用被害者1万1000人が起こした集団損害賠償請求訴訟で不利な立場に置かれることになる。

 NCソフトの関係者は「私たちも名義盗用防止のために最大限努力してきたが、善意の被害者が出ることを恐れ強力な遮断処置はとれなかった」と説明している。

 これまでは盗用された本人が届け出ても犯罪に悪用されるか物質的な損害を与えていない限り罰するのは難しかった。しかし、9月からは改定住民登録法が実施され、他人の住民登録番号を盗用して会員登録をしただけでも3年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金となる。

 警察は今回の捜査をきっかけに、これからオンラインゲーム社の個人情報流出防止と、大量の個人情報を取り扱う企業の情報流出防止のためのより具体的な対策を講じると発表した。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)