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NTTデータBC 製造業向けコンサルを強化 自動車などの新規顧客開拓へ

2006/08/14 17:59

週刊BCN 2006年08月14日vol.1150掲載

 NTTデータビジネスコンサルティング(NTTデータBC、堰合昭夫社長)は、製造業向けのコンサルティング業務を拡大する。公共・金融分野への依存度が高いNTTデータグループにとって製造業分野の開拓は重要課題であり、NTTデータBCが先鋒となって新規案件の開拓を進める。コンサルタントの増員も図っていく。

 NTTデータBCは現在、社員約70人規模だが、2年後の2008年度(09年3月期)をめどに自動車や電子部品関連をメインのターゲットとするコンサルタントを中心に250人規模に拡大する。製造業などに経験をもつ人材を中心に中途採用を進め、「即戦力集団を形成することで新規案件の獲得に努める」(堰合社長)と増員に力を入れる。若手育成のため新卒採用も行う。

 グローバルサプライチェーン管理や生産管理システム、ERPの導入、定着化などを主力のコンサルティングメニューに位置づける。システム構築を除いて上流工程から運用、活用に至るまでカバー率の高いサービス体系にすることで競合するコンサルティング会社との差別化を図る。システム構築部分は主にNTTデータ本体などが手がける。

 景気回復の追い風もあり「引き合いや案件は多数ある。あとは人材をどう確保していくかが課題」と、NTTデータグループで製造業開拓の中核部隊の役割を果たすには人材の確保と育成がカギになるとみている。売上高は昨年度実績約11億円から08年度には80億円を達成する方針を示しており、優秀なコンサルタントを揃えて1人あたりの生産性も高めていく計画だ。

 NTTデータグループは今年度の連結売上高として昨年度比10.2%増の1兆円の見通しを立て事業拡大を加速させている。一方で社会保険や郵便貯金関連など公共、金融の大型プロジェクトに依存する傾向があることから、リスクを分散して成長を持続させるためにグループ企業の体制強化やM&Aを積極的に進めている。これまで比較的弱かった一般民需の開拓にも力を入れており、今回のNTTデータBCの動きもその一環とみられる。
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