デジタル家電が家庭に浸透するにつれ、メーカーの競合は厳しさを増している。この厳しい国内市場への再参入を宣言して注目を集めているのが船井電機だ。この7月からヤマダ電機との協業により液晶テレビを発売して好調なスタートを切るなど、早くも台風の目となりつつある。船井電機・河野誠理事AV・マーケティング本部長に、国内市場戦略を聞いた。

 ウォルマートをはじめとするショップブランドやOEMで北米市場では実績の高い船井電機だが、日本市場についてはOEMメーカーとのパートナーシップを重視して、積極的な自社ブランド展開は控えてきた。

 しかし今回、「FUNAI」ブランドを日本市場で展開することを宣言したのは、「パートナー企業がFUNAIブランド展開を支援するという家電環境の変化」が大きな要因だ。今やすべての商品ラインを自社で製造することなど不可能で、OEMカスタマーも製造元を明らかにする傾向が強い。そこで製造元のブランド力が重要になる。つまり大手メーカーとのバトルフィールドにおいてFUNAIブランドの知名度を高めることが、結果的にはOEMカスタマーにもプラスになるということだ。

 独自ブランド展開では、エンドユーザーの生の声が最大の情報源となる。ヤマダ電機との協業についても「日本最大の販売力を持つ家電チェーンということで、ユーザーと販売の現場から生の声が聞ける」ことを最大のメリットととらえ、「協業のなかでFUNAIブランドとして本当の成長を目指す」としている。

 ヤマダ電機1社に絞り込んだ販売戦略については、30-50代を主力ターゲットとする国内戦略に合致したもので、現時点でヤマダ電機以外との協業は考えていない。まずは「販売ルートも商品も絞り込んだ上での展開」であり、商品についても今回は液晶テレビ2機種(32V型/20V型)に絞り込んだ。

 同社の液晶テレビは、基盤から自社開発する正統派であり、高画質化専用チップ「クリアピクスエンジン」を搭載するなど、性能的にはトップクラスを維持しつつ、コストパフォーマンスを高めていることが特徴だ。まず家庭でのセカンドテレビ需要を突破口とし、実際に使ってもらうなかでFUNAIブランドの浸透を図る。液晶以外では、デジタルチューナーやHDDを内蔵したDVDレコーダーを今期中にも発売する予定で、地上波デジタルを軸とした商品展開を進める。

 この戦略は短期的には2008年、中期的には2010年を目標としたもので、10年時点での液晶テレビ+DVD機器市場を1兆円と予測、「その10%をFUNAIブランドとする」方針だ。