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サイベース BI市場向け連携アダプタ発売 ヘッド・ソリューションズと協業

2006/12/11 18:09

週刊BCN 2006年12月11日vol.1166掲載

 サイベース(早川典之社長)は、自社の情報系分析用高速エンジン「Sybase IQ」とヘッド・ソリューションズ(佐藤秀哉社長)が販売するデータ連携ミドルウェア「DataSpider」をつなぐアダプタ「Sybase IQ Adapter」を共同開発した。両社は、国内BI(ビジネス・インテリジェンス)市場に向け、同アダプタをチャネル販売する。基幹システムに蓄積されたデータを抽出して分析や活用をする「ETL(Extract Transform Load)ツールとして初の製品を提供できる」(早川社長)と、大量のデータを企業戦略で利用する大企業を中心に売り込む。初年度は、3製品の組み合わせで100サイトへの導入を目指す。

 サイベースの「Sybase IQ」は、大量データの登録や検索に最適化された分析エンジン。一般的なRDBMSでBI環境を構築するのに比べ、同じSQL検索できるにもかかわらず、10-100倍のスピードと約5倍の格納効率を発揮する。ただ、業務アプリケーションからデータを収集し、『Sybase IQ』にデータをローディングするまでの仕組みを個別に開発するという課題があった。

 この課題に向け、ヘッド・ソリューションズと共同で、「DataSpider」と「Sybase IQ」をつなぐ「Sybase IQ Adapter」を開発した。これにより、「DataSpider」を活用してノン・プログラミングで短期間にデータ連携し、同アダプタを介して「Sybase IQ」にデータの読み込みや書き込み、検索・更新などが容易にでき、「大量の企業情報を迅速に分析・活用するBI環境を低コストで構築できる」(早川社長)ようになるという。

 サイベースは、親会社の米サイベースが今年6月に買収した独ソロンデのETLソリューションを利用した「Sybase ETL」をもっているが、「日本市場への投入は、まだ先のことで、当面はヘッド・ソリューションズと開発したアダプタをキーコンポーネントとして日本市場を攻める」として、これまで国内で導入したPOSシステムと連携した「Sybase IQ」の事例や、「Data Spider」のOEM製品などを合わせ、日本独自にBI構築スイートとして提供することも計画している。

 同アダプタは、ヘッド・ソリューションズが直販するほか、同社の代理店であるネクストコムなどが販売する。
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