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フォーバル クリエーティブ サービス事業の比率50%に 昨年末の新サービスを核に

2007/01/15 19:36

週刊BCN 2007年01月15日vol.1170掲載

 セキュリティ機器販売のフォーバル クリエーティブ(金住治社長)は、サービス事業を来年度(2008年3月期)には全売上高の50%まで高める計画を明らかにした。昨年12月に開始した期間契約型のセキュリティサービスを中核に位置づけ、今春には中小企業に特化した安価なサービスメニューを用意する。同社はこれまでセキュリティ機器の卸販売が中心だったが、価格の下落と新たな価値を付加しにくい立場であることが影響して業績は低迷している。サービスモデルの立ち上げで、卸販売からの脱皮を図り業績回復を目指す。

 昨年12月に販売を始めた「FCトータル セキュアオフィス サービス」をサービス事業の主力商品にする。情報漏えい対策や不正プログラムの侵入防御、情報システムの安全運用やセキュリティ監査など8つのメニューを用意した。すべてのメニューを基本的には月間または年間契約で提供するサービスモデルとした。対象顧客は大企業から中堅企業で、3月までに1億5000万円の販売を見込んでいる。

 今春には、中小企業に特化した安価なサービスメニューも用意する予定で、大企業から中小企業まで提供できるサービス体系を整える。サービス提供に向けて昨年10月、社内に専門部署を設置、サーバー構築などノウハウが乏しい分野についてはSIerと組んで体制を整備した。

 販売の大半は、セキュリティ事業を手がけるSIerやITサービス提供会社を通じて顧客企業に提供する。SIerなどが持つセキュリティサービスに「FCトータル セキュアオフィス サービス」を組み込み、SIerが顧客に提案する形をとる。すでに「数社のサービス提供会社と契約済み」(森田次朗常務取締役)としている。

 同社は、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ製ファイアウォールの販売で実績を高め、セキュリティ機器商社として成長してきた。ただ、ここ数年は価格の落ち込みによる影響と、卸販売という立場上、新たな付加価値が提供しにくく、利益確保が厳しい状況にあった。昨年度まで2期連続の赤字を計上したことから、サービスビジネスの拡大で巻き直しを図る。

 現在、サービスビジネスの売り上げ比率は全体の10%程度だが、「来年度には50%に引き上げる」(金社長)方針。

 今年度の業績は、親会社のフォーバルとの営業連携が奏功し、黒字となる見通し。フォーバルの営業担当者が、同社の取扱商品を販売する体制を構築。フォーバルの既存顧客向けに統合アプライアンス製品の「FortiGate」拡販を進めている。
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