【ソウル発】情報通信部の発表によると円安・ウォン高、季節的な要因にもかかわらず、1月の韓国IT輸出は対前年同月比11.6%増加し98.4億ドルを記録した。IT輸出増加率が2ケタ成長したのは4か月ぶりのこと。特にIT収支は47.8億ドル黒字で、全産業の黒字2.1億ドルを大幅に上回っている。

 IT輸出を品目別でみるとWindows Vista発売の影響から半導体とパネルがけん引した。半導体のなかではメモリが好調で、全体では31.4%アップの36.2億ドルとなった。パネルは大型LCDTV用とモニター用を中心に16.8%増の13.7億ドルとなった。

 特に携帯電話と関連部品は2.1%増の22.1億ドルと4か月ぶりにマイナス成長から立ち直り、対前月比では27%も増加しているため、今後の輸出回復に対する期待も高まっている。

 輸出地域別には、景気好調の影響から対中国が15.1%増の36.6億ドル、対米国33.2%増の36.6億ドルを記録した。欧州連合と対日輸出は小幅のマイナスで、それぞれ4.0%減の15.2億ドルと7.8%減の7.0億ドルとなった。

 韓国の2007年IT輸出は、ウォン高のうえに主な輸出製品の価格下落から、あまり期待できないともいわれているが、情報通信部は「Vista効果から半導体と大型モニター、3G携帯電話、デジタルTVとパネルの輸出拡大でマイナスにはならない」と展望している。

 だが問題がないわけではない。貿易黒字が1年ぶりに最低値となったことと、ウォン高の影響から価格競争力をなくした携帯電話と家電の輸出はそれぞれ7.8%、9.5%減少していることだ。また対米、対日といった巨大市場への輸出がどんどん減っているのも韓国の経済を厳しくしている。

 円安の影響で、輸出すればするほど損をする企業が増えている。一方では円安を背景に日本からの輸入が増え、日本へ向かう韓国人観光客の数は倍増しているため、対日貿易赤字は06年には史上最高額を記録した。

 韓国は自動車、家電など日本と世界市場で競争する製品も多いので、このまま円安が続けば韓国製品の価格のほうが高くなってしまい、居場所がなくなるのではないかと懸念されている。韓国政府が円安・ウォン高に関与する動きはなく、今年もこの状況は続くのではないかと予想されている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)