IT業界で長年のキャリアを持つプロ集団であるHarness LLP(ハーネス有限責任事業組合、松倉泉理事長)は、中小IT企業のM&Aなどを支援する活動を本格的に開始した。事業売却や譲渡、事業価値を高めるパートナーを探し、企業再生など1億円以下の案件も支援する。団塊の世代が大量に退職し、IT企業の人材不足が顕著になっているため、適したM&A案件があれば投資したいというニーズが中小IT企業でも活発化。このため、事業売却企業と事業拡大企業のマッチングさせる活動などを展開する。

 ハーネスLLPは昨年9月、IT業界のM&Aや経営企画、ファイナンス、営業、マーケティングなどを20年以上経験したプロ集団が結成した。

 事業は、売却や買収、投資を含む「M&A」、経営やマーケティング、営業戦略を練る「事業」、株式公開を支援する「IPO」、金融機関を仲介し事業資金を捻出する「ファイナンス」、事業売却に伴う再雇用などを支援する「ネクストステージ」の5つのサポートを手がけている。

 最大の特徴は、従業員50人以下の中小企業であってもサポート対象としていること。M&Aといえば、大企業同士の動きが目立ち、これらの仲介業者は数多い。だが、それらのほとんどは株式や事業譲渡価格で1億円を上回る案件の成立に携わっている。

 ハーネスが支援するM&Aの場合は、事前相談を経て企業評価・譲渡条件を検討したあと、買い手の選定、基本合意、売却条件の調整、契約・受渡・決済までのサービスを提供する。松倉理事長は「中小のIT企業は、後継者不足などを理由に事業売却より廃業を選ぶことが多い」と懸念する。しかし、独自技術やノウハウを持つベンダーは多く、人材不足の大手・中堅IT企業とマッチングすれば、これまでの技術が継承・再生させる可能性があるため、これを支援する。

 ハーネスがまとめた初案件としては、昨年末にIT教育ソフトウェア開発・販売会社のシステム・テクノロジー・アイに、同業他社のラーニングウェアのソフト開発と販売事業の譲渡をわずか2か月という短期間で実現させた事例がある。