【ソウル発】韓国市場でシェア1位、中国でも2006年市場シェア16%とキヤノン、ソニーに続いて3位の座を保持している三星Kenoxが、デジタルカメラとしての充実した機能はもちろん、ユーザーが利用するのに便利なアイデアを盛り込んだ機種を発売して話題になっている。

 韓国のデジタルカメラ市場は今年、2005年からシェア1位につけている三星Kenox(社名、三星テックウィン)を日本のメーカーが追うかたちになると予想される。06年のシェアは三星Kenoxが30%、ソニー19%、キヤノン16%、ニコン9%、オリンパス9%の順で、三星Kenoxが断然トップで売れている。

 最近のデジカメは、ほとんどの機種が手ブレ防止・動画撮影・1000万画素の高画質・顔認識などの機能を取り揃えている。そんななかで三星Kenoxが人気を博しているのは、カメラとしての光学機能に限らず、ユーザーの利便性を考慮した機能にも力を入れているところにある。

 3月29日発売された「i7」と「L74ワイド」は、三星Kenoxのホームページから世界30か国の旅行地6500か所の情報をカメラにダウンロードできる。一般的に旅行に出かける時には必ずデジカメを持って行くので、カメラがガイドブックの役割までしてくれるとなれば荷物も減るし、とても便利だ。またカメラをポータブルマルチメディアプレイヤーのように利用できる機能もついているので、MP3ファイルや動画再生も可能だ。1月に発売された「i70」はHSDPAで無線インターネットにアクセスできるので、デジカメをカメラ付き携帯電話として使うこともできる。

 三星テックウィンは現在、米国、英国、ドイツ、フランス、中国にある自社現地法人のほかに三星電子とも輸出協力を結び、07年からは世界市場での3位確保に乗り出す計画を立てている。これによりロシア、香港、シンガポール、メキシコ、パナマ、台湾、マレーシア、コロンビアなど合計12か国にある三星電子海外法人でも三星テックウィンのデジカメを販売することになった。三星電子のMP3プレイヤーやテレビ、ビデオカメラなどのAV家電と一緒に展示販売するようになる。2010年には年間2000万台販売を達成し、世界市場のトップに立つ計画で、中国の天津工場を増設した。

 三星テックウィンの06年売上高は2兆8690億ウォン。同社は今年30周年を迎えるが、77年に三星精密として設立されてから87年三星航空、00年三星テックウィンに社名変更して現在に至っている。IMF経済危機の際に航空部門を韓国宇宙航空産業に売却し、デジタルカメラ製造に切り替え、成功した。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)