マイクロソフト(ダレン・ヒューストン社長)は、企業内のIT管理者が簡単・シンプル・迅速にITインフラをセキュアに運用管理できるソリューションの提供を拡大する。近く、セキュリティ製品群「Microsoft Forefront」のクライアントPC版を出荷する。これにより、サーバーとクライアントPCを含めた「統合的なITインフラ管理基盤」を実現する製品が揃うため、今後はパートナーと協業して「ベストプラクティス」となる導入事例を増やし、トレーニングセミナーを開催するなど、本格的な拡販施策を展開する計画だ。

 同社は2003年から、「DSI(Dynamic Systems Initiative)」と呼ぶ構想を提唱し、「自律型分散システムの構築・運用」ができるITインフラ向け製品群を順次揃えてきた。今年3月には、大企業から中堅・中小企業(SMB)までを網羅したITシステム運用管理製品群「Microsoft System Center」や「同Forefront」の日本語版を投入している。近く、クライアントPCのセキュリティ管理製品「Forefront Client Security」の提供を開始する。

 これにより、サーバーとクライアントPCを含めたITインフラ全体を包括的に運用管理できる製品群が揃ったことから、「ITインフラの全ライフサイクルで、IT管理者がセキュアで迅速に運用管理できる体制が整う」(長谷川裕昭・シニアプロダクトマネージャー)と、まずは中・大規模企業向けにパートナーとこの製品群を提案する。

 国内のIT投資は、6-7割が運用保守費に利用され、戦略的なIT投資に使う比率が諸外国に比べ低い。ヒトの勘に頼り運用管理が煩雑で、コスト高になっていることに起因する。「当社はセキュリティから運用監視までITインフラの包括的な管理ソリューションを開発からサポートまで一括して提案できる唯一のベンダー。一元化された運用管理ソリューションで大幅に運用保守にかかるコストを削減できる」(長谷川マネージャー)。さらに「Forefront」や「System Center」に加え、認証システム「Active Directory」、Windows サーバー2008に含まれるネットワークアクセス保護(NAP)などで、システム運用を容易に構築できる仕組みをパートナーと企業に提供していく。

 当初は、大塚商会や伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、富士通ビジネスシステム(FJB)など、基幹システムの構築に実績のあるSIer7社と、これら製品群を拡販する。年内は「運用管理を簡素化できた成功事例を多数生み出す」(古川勝也・シニアプロダクトマネージャー)。この成功事例「ベストプラクティス」をもとに、来年以降は導入数とパートナーの数を増やす。マイクロソフトでは、この製品群を販売するパートナーには、売り上げの最大30%を還元する新たなリベート制度も検討している。