SIerのミツイワ(飯田裕一社長)は主力商材を刷新する。オリジナルERP(統合基幹業務システム)を今年秋以降、順次新製品に切り替えていくのに加え、ネットワーク構築やサポートサービスのメニューの拡充を進める。富士通の有力ビジネスパートナーであり、1990年代前半からオープンシステムへの対応を業界に先駆けて取り組んできた。しかし、競争の激化などで近年では商材の陳腐化が課題になっていた。今回の刷新により競争力を高め、ビジネスの拡大を図る。

 新商材の投入は今年度(08年3月期)から本格的に始まった。独自に開発したERP「Glacio(グラシオ)」シリーズは全面的につくり直し、ネットワーク構築などのITインフラ構築サービス、保守運用などのサポートサービスのメニューも見直す。

 これまでERPやインフラ、サポートサービスの主力各事業の独自性を重視するあまり、「連携が十分にできていない」(飯田社長)側面があった。刷新では主要3事業を密接に連携させるメニュー体系にすることで相乗効果を最大限に引き出す“相乗連動”に主眼を置く。

 主力ERPはマイクロソフトの最新アーキテクチャ「.NETフレームワーク」に準拠したものにつくり替える。「Glacio.NET」とシリーズ名を新しくし、今年11月をめどにまずは人事給与モジュールを投入。来年3月までに財務会計、販売管理を順次製品化する。

 履歴管理による情報セキュリティの強化や電子帳票機能も充実させ、内部統制の強化や電子帳簿保存といった新しい法制度にも標準で対応させる。トータルで3億円余りの開発費を投じる見込み。

 新製品で獲得した顧客に対してはインフラ構築やサポートサービスのメニューも併せて提案し、商談規模の拡大を図る。同時にインフラ構築やサポートサービスの商材で得た顧客には最新の.NET対応ERPの提案を行う。各事業のサービスメニューの体系を相互に連動できる仕組みを生かすことで付加価値の向上させる考えだ。

 Glacio.NETの開発を担当したミツイワ情報は「ERPと自社の各種サービスとの連携を前提に再設計した」(石井鉄男・常務取締役)にした。これによりSIer本来の強みであるシステム構築やサービスビジネスを伸ばす。

 社内で使う営業・マーケティングのデータベースの統合も年内には完了する予定で、来年度以降“相乗連動”の効果が本格的に現れてくる見通し。

 昨年度(07年3月期)の連結売上高は前年度比約18%増の503億円と好調だったが、営業利益率は2.8%と業界水準に及ばない状況が続いていた。各事業の連携を強めることで来年度には連結売上高を550億円に高めたうえで、営業利益率4-5%への伸長を目指す。