NTTコムウェア(今井郁次社長)が小型サーバー「L-Box」を活用したネットワーク指紋認証システムの提供に乗り出した。指紋センサーベンダーのシーモンと共同でマンション入館システムを開発。東京・目黒区の東急「学芸大学」駅周辺で建設中のマンションに導入が決定した。ネットワーク経由で指紋認証を行う入館システムは、ホームセキュリティ市場に一石を投じる可能性を秘めている。

 指紋センサーの開発に加えて不動産業も手がけるシーモンのマンション開発事業「学芸大学プロジェクト」の賃貸マンションで指紋認証マンション入館システムを導入した。NTTコムウェアがL-Boxをはじめネットワーク構築のノウハウを提供、シーモンがアプリケーションを含めた指紋認証システムの構築を担当した。同プロジェクトのマンションは建設中で総戸数が48戸。今年10月末には竣工予定だ。

 NTTコムウェアのL-Boxを活用し、各戸の玄関ドアに指紋認証を組み込んだロックシステムと共用エントランスやエレベータ前などに設置した指紋認証システムをネットワークで連動させていることが最大の特徴。入居者の指紋情報は各戸内で行える分散管理で、登録作業の簡素化を実現した。

 シーモンのセキュリティソリューション事業部ホームセキュリティチームの田中伸明氏は、「共用エントランスの指紋認証システムによる集中管理とは異なり、プライバシーに関する問題や全指紋情報の盗難を回避できる。ホームセキュリティの概念を覆すのではないか」とみている。賃貸料については現段階で未定だが、防犯やセキュリティなどのシステムを重視するマンション入居者が多く、しかもこれまでのホームセキュリティにはない優位性があることから、ほかのマンションより高く設定しても入居者が集まりそうだ。

 NTTコムウェアがL-Boxをマンションのセキュリティ向けに提供したのは今回が初めて。川原浩一・基盤技術本部研究開発部スペシャリストは、「このプロジェクトを手始めに、多くのマンション開発事業者に提供していきたい」考えを示している。