NEC(矢野薫社長)は、シンクライアント端末「US110」と「US60」を市場投入、シンクライアント事業を強化した。現状が需要増の準備段階と見据え、セキュリティなどシンクライアントを生かした提案型のシステム提供を拡大。シンクライアント事業の売上高として今後3年間で1500億円を狙う。

 「US110」はデスクトップ型のシンクライアント端末で、IP電話やウェブ会議などマルチメディア機能を搭載したほか、社外から企業内システムにセキュアに接続するためのVPN機能に対応。社内ネットワークが接続されていない社外拠点や自宅でのテレワークになどに適している。「US60」はノート型の端末で、モバイル接続やVPN環境などユーザー企業が自由にカスタマイズできることが特徴。モバイル環境ではシンクライアントが使いにくかったという課題を払拭したという。

 石垣博崇・クライアント・サーバ販売推進本部長代理は、「シンクライアントのニーズは、まだ本格的に普及する前の段階。したがって、業務で問題なく使えることを訴えることが重要となる」という。そのため、企業の1部門に対してテスト的に導入することを提案。使い勝手がよければ全社での採用を促しているという。これにより、「導入事例を増やすることで、早い段階でシンクライアント市場で主導権を握りたい」との考えを示す。福田和夫主任は、「金融機関をはじめ、会計事務所などでシステム案件を獲得した」と自信をみせる。

 同社では、ブレードサーバーやストレージ機器などを組み合わせたプラットフォーム提供の拡大に力を注いでいる。そのため、“切り込み役”に位置づけているのがクライアント端末。なかでも、「シンクライアントが他社との差別化につながる」(石垣本部長代理)としている。新規開拓を図っていくうえでも、「他社からの乗り換えを煽るきっかけがシンクライアント」と位置づけている。