開発基盤の強化が課題

 PFU(輪島藤夫社長)が業績を伸ばしている。今年度上期(2007年4-9月期)の単体売上高は前年同期比約15%増と好調に推移。今年度は通期で前年度比5%増を想定していたが、上期の大幅伸長を受けて期初予想を上回る可能性が出てきた。主力の業務用スキャナのシェアが世界規模で拡大し、国内市場におけるキオスク情報端末のビジネスが順調に推移していることなどがプラスに働いた。

 内部統制の強化などで紙文書を電子的に保存する傾向が世界規模で広がっている。業務用スキャナは紙文書を手軽に電子化するデバイスとして需要が高まっており、PFUはこの波をうまくつかんだ。グループ会社の富士通の海外販売網を活用し、世界各地の地場系SIerやISVに提供。SIパートナーが紙文書の電子化システムを構築する際のキーデバイスの1つとして採用されたことが販売増につながった。世界シェアは50%近くに達した模様だ。

 また、キオスク情報端末は主に国内の流通・サービス業向けの納入が相次いだ。試作品の依頼を受けてから最短1週間でプロトタイプをつくる迅速な対応が評価された。キオスク端末は顧客の用途に合わせて個別にカスタマイズするケースが多く、こうした需要に対応するため設計から試作、生産まで一貫して行える工場を本社のある石川県に整備。かつ全国約120拠点の保守サービス網によるサービス向上で受注拡大に結びつけた。

 ただ課題はある。業務用スキャナでは業務アプリケーションとの密な連携が不可欠。SIパートナーのより迅速なソフト開発を支援する「ミドルウェアなどの開発基盤がまだ弱い」(輪島社長)と認識している。すでにエンタープライズコンテンツ管理(ECM)を得意とするISVとの提携や、マイクロソフトのコンテンツ管理システム「SharePoint Server」に強いISVに一部出資するなど主に海外のISVとの提携を加速。今後は自社内でもソフト基盤の強化をより進めることで、ハード・ソフト両面でのパートナー支援を強化する。

 キオスク端末は、これまで国内でのビジネスが中心だったが、今後は「海外での展開を真剣に検討する」。プロトタイプを海外でどう迅速に開発するかなど課題は多いが、業務用スキャナ同様にグローバル展開を目指す。

 昨年度の売上高は前年度比約12%増の1048億円。創業50周年にあたる2010年までは年率平均7-10%で売り上げを伸ばし、業務用スキャナの世界シェアを60%に高める目標を掲げる。これにキオスク端末の世界進出も進めることで事業拡大を目指す。