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UCOM IP電話でSMB向け事業を拡大 2000社への導入を目指す

2008/02/25 20:53

週刊BCN 2008年02月25日vol.1224掲載

 光ファイバを中心としたインターネットサービスプロバイダのUCOM(武林聡社長)は、IP電話とネットワーク回線の統合サービス「uni-mo!(ユニーモ!)」の提供を開始した。SMB(中堅・中小企業)の囲い込みや新規顧客の開拓が狙い。同サービスの導入企業として2000社を獲得する方針。

 「uni-mo!」は、IP電話をはじめとしたコミュニケーション環境やネットワーク回線などオフィスに必要なインフラをサポートを含めてワンストップで提供。クライアント端末24台以下のシステムで月額5万4000円などに設定している。サービス提供にあたり、ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズとパートナーシップを組んだ。ルータ「ISR2800」や「ISR3800」、スイッチの「Catalyst3560」を採用したほか、UC(ユニファイド・コミュニケーション)サービスに対応したIP電話機の「Unified IP Phone7900」をユーザー企業に対して設置する。販売代理店として、すでにキヤノンネットワークコミュニケーションズを獲得したほか、複数の大手SIerに話を進めている段階だ。

 同サービスを提供することにした理由について、門田寛・営業推進部長は「法人市場ではIP電話の導入が進んでいないのが実情。電話をIP化するにあたって、インフラ管理に対応できる人的リソースが乏しいことや、費用対効果が分からないことが原因だ。そのため、保守を含めた統合ソリューションをパッケージ化し、低価格で提供することに踏み切った」としている。

 法人対象の回線事業は、価格競争が激化しており、利益度外視の価格を設定する傾向が高まっている。こうした状況が続けば、淘汰されるサービスプロバイダが増える可能性があり、同社にとっては「いかに生き残れるかがカギ」という。しかし、低価格で提供すれば、利益を確保できなくなる。そこで、保守を含めたワンストップサービスで「利益を確保できるビジネスモデルを実現した」わけだ。さらに、「これまでは、ブロードバンド接続サービスのみの提供だったため、競合他社に遅れをとっていた感があったが、今後は同じ土俵で勝負できる」と自信をみせる。

 法人市場でIP電話の普及が遅れている背景には、アプリケーションサービスが充実していないといった実情がある。そのため、同社はUCを視野に入れたシスコ製の端末を採用した。加えて、「今後は、SaaSのプラットフォーム開発でアプリケーションサービスの充実を図っていく」方針だ。
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