ITコーディネータ協会の関隆明会長は、現在のITコーディネータ(ITC)を中小企業の「ビジネス戦略」を創出する人材に育成するため「カリキュラムを拡充すべき」と、ITCを高度IT人材として養成することを示唆した。中小企業の「IT経営」を推進するうえで、経済産業省が定めるITスキル標準「ITSS」に基づく人材に加え、企業戦略面から支援する人材の養成が急務というのが理由。また、「企業内ITC」の数を増やし、「ベンダー内ITC」や「独立系ITC」と「共通言語でIT経営を実現する必要性が高まっている」と、各ITCの連携強化にも同協会で力を入れるという。

 国が目指す「高度IT人材」として、「クリエーション系」「ソリューション系」「基本戦略系」に分類されている。関会長はこのうち、「中小企業には経営の視点でITと絡めてビジネス戦略を立案・検討する人材が不足している」とみており、「ITCがその役割を果たす最も近い存在」と言い切る。こうした前提に立ち、企業の新たなビジネスモデルの創出や製品・サービスの開発、生産性向上などを担うべく、同協会がITC向けに実施している現行カリキュラムを改編したり、ITCの資格制度自体の見直し時期にきていると強調する。

 また、経営戦略からIT戦略策定、ベンダー選定、開発、運用、費用対効果の評価までを実施するITCの「プロセスガイドライン」を、中小企業のIT導入時に利用を拡大するため、「企業内ITCのうちユーザー内ITCを増やす必要がある」とも指摘する。昨年9月段階のITC有資格者数は7849人。このうち「企業内ITC」は全体の76%を占める。しかし、「企業内ITC」のうちユーザー企業内に在籍するITCの数は、8%弱と少ない。このため、「ユーザー企業とベンダーが共通言語でIT経営を検討するには、ユーザー内ITCが不足している」と、不足する人材を大幅に増やす活動をする必要性を感じている。

 これら関会長の検討事項は、6月の理事会で協議され、来年度以降の具体的な方針として打ち出される予定だ。