サイボウズ(青野慶久社長)は大企業向け営業を強化する。社員数3000人以上の企業へ直接営業する専門部隊を設置し、直販営業を増強。大企業に導入する場合、需要が多いカスタマイズ開発・SI部門をサイボウズの子会社に設け、導入体制も整備した。従来の販社を通じた間接販売と、直販の両輪で顧客開拓を図る。この市場で主軸となるグループウェア「サイボウズ ガルーン」は、3年後に昨年度(2008年1月期)の2.5倍の売上高30億円まで成長させ、中核商品に育てたい意向だ。

 新設された営業組織「MA営業部」は5人で構成し、社員数3000人以上の大企業に直接アプローチする直販営業を担当する。従来行ってきた販社を通じての間接販売を継続しながら、直販でも顧客開拓を図る。自社と販社が同じ顧客に営業提案した際は、サイボウズが退くことで競合を回避する。

 ソフト導入の際に発生するカスタマイズ開発やSI業務は、子会社のインテグラート・ビジネスシステムに設置した「SI事業部」が手がける。数千人規模の大企業にソフトを導入する場合は、顧客ごとの要望を組み入れるケースが多い。それらに対応するソフト開発・SIが必要なため、担当組織を5人体制で新設した。SI事業部は、直販部隊が獲得した案件だけでなく、販社が獲得した導入プロジェクトの開発も支援する。

 拡販する主軸商品は「サイボウズ ガルーン」。今春、大規模システムでも運用しやすくした新版を投入予定で、その発売を機に攻勢をかける。青野社長は、「従業員3000人以上の大企業市場で、サイボウズのグループウェアのシェアは1%にも満たないだろう。ただ、それだけに成長の余地が大きい」と説明。大企業へのアプローチを今後重視する方針を強調する。また、直販を始める理由について「未開拓の領域だけに、まずはサイボウズ自身が営業して成功事例を豊富に出す。そうすればパートナーは安心でき、間接販売も活気づくはず。あくまでメインの販売チャネルは間接販売」と述べ、販社との連携を重視する戦略は変えない姿勢を示している。

 サイボウズにとって稼ぎ頭の小規模システム向けグループウェア「サイボウズ Office」は、昨年度(08年1月期)は伸び悩み、売上高が前年度に比べて3.3%減少した。「今後も横ばいか数%の伸びしか見込めない」と青野社長は予測しており、次の成長を支える商品として、未開拓の大企業市場にアプローチできる「ガルーン」に照準を合わせた。

 「ガルーン」の昨年度売上高は、前年度比14.9%増で順調に伸びた。現時点でユーザー3000人以上の「ガルーン」導入実績は、約1万6000ユーザーが利用する岡山県庁や、約3000人利用の横須賀市役所などがある。