通信事業者大手である英BTグループの日本法人、BTジャパン(長谷川恵社長)が国内事業の本格拡大を打ち出した。5年以内に10億米ドル(約1000億円)規模を目標に掲げ、主力のアウトソーシング事業を強化。データセンターのM&Aを積極的に行うことも視野に入れている。

 英国で最大の通信事業者であるBTグループの強みは、230か国をつないだグローバル・ネットワークを構築し、世界の99%をカバーするダイレクト国際通信サービスを提供していることにある。

 日本法人のBTジャパンは、ワールドワイドを網羅する通信サービスを武器に海外市場に進出を図る日本企業に対して、ネットワークに関するグローバル的な運用管理やITシステムを網羅したアウトソーシング・サービスを主力事業として手がけている。昨年11月には、イアン・プルフォード氏に代わって日本人の長谷川氏が社長に就任するという人事が実施された。

 国内事業の拡大を進めるため、2006年8月にはKDDIと提携。ジョイントベンチャーの「KDDI&BTグローバルソリューションズ(KBGS)」を設立した。ただ、課題となっていたのは、KDDIとKBGS、BTジャパンの3社でビジネスが重複するケースがあったこと。そのため、KBGSはカスタマー・サポートとチャネル・マネジメントに集中。3社のポジション明確化は、“長谷川体制”の下でBTジャパンの社内基盤が一段と整ったことを物語っている。

 基盤整備を終えた同社にとっては、今年度がビジネス拡大を加速させるための重要な年となりそうだ。長谷川社長は、「ネットワークインフラ提供を超えた付加価値ビジネスを展開しなければならない」としている。そのためには、「データセンターが大きな位置を占めるようになる」。そこで、M&Aによるデータセンターの増加を検討しているというわけだ。

 アレン・マーBTアジア太平洋地域プレジデントは、「M&Aに対する具体的な投資額の基準は定めていない」としている。しかし、BTグループは「財政基盤がしっかりしている」(マー・アジア太平洋地域プレジデント)だけに、積極的なM&Aを進める可能性を秘めている。

 最近は、NTTグループが「フレッツ光ネクスト」を手始めとした次世代ネットワーク網(NGN)の提供を始めたり、KDDIがSaaS事業に参入するなど、通信事業者のビジネス領域が広がってきている。

 そんななか、グローバル・ネットワーク網を武器にBTジャパンが日本で大きな存在感を示すことができるのか。注目を浴びることになりそうだ。