ゼンロック(アミール・アヤロン社長兼CEO)は、メール暗号化ソリューションをエンドユーザーに無償提供する。同社は、口コミにより認知度を上げたうえで、企業ユーザーなどに対してはプレミアムサービスとしての有償提供を図る。「初年度でユーザーを100万人に増やしたい」(アヤロン氏)としている。プレミアムサービスの提供は、年内をめどに実施していく予定だ。

 ゼンロックは2007年4月に設立されたベンチャー企業だ。アヤロン氏はドメインネームプロバイダのソリスを経て、SEOソフトを手がけるソゾンを設立するなど、99年ごろから日本でインターネットサービスを手がけてきた。6-7年前、システム管理者が他の従業員のメールをバックアップし、いつでも閲覧できる状況にあったという実体験から、同氏はセキュリティ会社の設立を決意する。「管理者のメール閲覧は非常に不快だった。だが、当時はメール暗号化のソリューションにいいものが見つからなかった」と振り返る。

 電子メールはISP(インターネットサービスプロバイダ)やホスティング会社などが読もうと思えば簡単に読める状況にあり、その環境は、常に見られていることを意識する必要があると、アヤロン氏は語る。情報を読まれないようにするのに効果的なのは暗号化することだが、複雑で互換性がないことやコストの問題で普及が進まない状況だった。

 だが、最近は米ネバダ州でEメールの暗号化に関する法律が施行されることや日本国内でも個人情報に対するセキュリティの面で注目されつつあることから、暗号化に対する需要が高まっている。そこで同社は、エンドユーザーに対して無償で暗号化ソフトの提供を開始した。暗号プロトコルは主要なブラウザに組み込まれている世界標準のオープンSSLとS/MIMEを採用している。同ソフトをインストールするとメーラーにボタンが組み込まれ、それを押すだけで暗号化送信できる簡易な操作性を実現した。

 一般ユーザーに対して、口コミによる認知を広げたうえで、年内には、有償サービスを立ち上げる。企業で所有するドメインネームに基づき、ドメイン配下の暗号化メールをすべて復号できるマスターキーを発行する「コーポレートマスターキー」、企業が不特定多数の顧客にメールを配信する際に暗号化メールを送信できるサーバー向けソリューション「マスメールソリューション」などを「プレミアムサービス」として提供する予定だ。