業務アプリケーション開発の日本ナレッジ(藤井洋一社長)は、主に中小企業の基幹データを遠隔保存するSaaS型のバックアップサービスを開始した。他社のサービスに比べて安価に提供し、顧客を数多く呼び込んで安定的な収入確保を狙う。同社では、直販やOEM(相手先ブランドによる供給)などで利用者を増やす方針だ。直販だけで3年間に500社の導入を目指す。

 同社の新サービスであるSaaS型の「K─IXセキュアバックアップサービス」は、北海道札幌市にある北海道電力の情報子会社、ほくでん情報テクノロジー(佐藤富士夫社長)と共同開発したものだ。ユーザー企業が自社パソコンにバックアップソフトウェアをインストールするだけで、ファイルサーバーやフォルダのデータを自動的にほくでん情報のデータセンターに遠隔保存(別地保存)できる仕組み。日本ナレッジ営業部の猪俣光治担当は「専用のストレージサーバーなどの新たな設備投資は必要ない。事業継続や災害対策などは中小企業にとって敷居が高いが、当社のサービスはそれを簡単・安価に実現できる」と、他社にないサービスとして売り込む考え。

 オービックビジネスコンサルタント(OBC)やピー・シー・エー(PCA)など中小企業が利用する会計ソフトを中心とした基幹系の業務アプリケーションを提供するISV(独立系ソフトベンダー)は、自社でバックアップサービスを提供している。藤井社長は「これら大手ISV以外にバックアップサービスを提供したいベンダーへの提供も行う」と、自社販売するだけでなく、多様な提供方法で市場への浸透を図る。

 新サービスは、データ転送時の通信をすべて暗号化、SSL通信でセキュアに送信でき、盗聴の心配がない。また、バックアップスケジュールは毎日、週1回、月1回などユーザー企業のニーズに合わせた設定が可能。2回目以降の保存は差分転送になるため、バックアップ時間を短縮できる。データセンターは北海道電力グループのインフラを利用するため、事業継続や災害対策にも最適という。価格は、20GBタイプで月額3万5000円(個別アカウント/1サーバー)で、別途調査や初期設定費用として3万5000円が必要だ。

ひとこと情報
火災をきっかけに開発

 日本ナレッジの同サービスは、東京・木場にある既存ユーザー企業が火災になり、耐火金庫内のテープストレージが一部損傷したことをきっかけとしてアイデアを巡らし、中小企業の重要情報をいかに安全に保存するかという視点で開発された。