元T・ZONE社長が経営するITベンダーのVMJ(金山和男社長)は、3次元(3D)の立体映像を専用眼鏡を装着せずに視認できる65型ディスプレイを商品化した。独ビジュモーション社の技術を応用し、シャープから供給を受けた液晶ディスプレイに搭載して実現した。金山社長は、中古パソコン販売会社のラブロスを経営する一方、同製品用に向け今年2月にVMJを設立。同製品は、駅や空港、公共施設などの電子広告用ディスプレイとして売り込みを開始した。

 3次元立体映像を視認できるのは「業務用3D立体液晶ディスプレイ・システム」(再生用ソフトウェアを含め300万円前後)。専用眼鏡を使う3D技術と異なり、裸眼で画面から最大83センチほどポップアップする映像を見ることができる。独ビジュモーション社の新技術「パララックスバリアテクノロジー」を応用した。この技術は液晶パネルに特殊ガラスフィルターを貼り付け立体映像表示できる。これをシャープの液晶ディスプレイに搭載したのが本製品だ。

 最近、日本では3D映画「ベオウルフ/呪われし勇者」が上映されたほか、日本BS放送が昨年12月から家庭向けに3D映像放送を開始している。同社ではこの先、今回の65型のほか、2.5型からの製品をラインアップする。

 まずは、駅や空港、公共施設、ショッピングセンター、地下街など、多くの人が行き交う場所に、映像広告用の「デジタルサイネージ(電子広告)」として同製品を拡販する。今後は、ゲームやパチンコ/スロット、携帯電話などで利用できるディスプレイといった新たな分野へも展開する方針だ。VMJは販売開始から1年間で30億円の売り上げを見込んでいる。

 イーストマン・コダック社がカナダで実施した調査によると、ショッピングモールの入口で3D映像による商品宣伝を行うと、売上高で12%、来客車両数で34%伸びた。同社では、3D映像の開発は国内大手メーカーで進んでいるが、実用化する十分な映像品質を得られていない状況にあると分析している。