SIerのDTS(赤羽根靖隆社長)は、製造業でのシェア拡大を進める。主に新規顧客の開拓を担当するコンサルティング営業部門を強化。製造業向けのサービスメニューを拡充するなど重点的な営業を展開する。同社は年商618億円の準大手SIerで、金融や通信業向けのソフト開発を得意としてきた。だが、SI業界のトップグループに迫るには、まとまったIT投資が見込める製造業でのシェア拡大が欠かせないと判断した。

 受託ソフト開発の比率が多いDTSは、社員の約9割を技術者で占める。主要顧客約400社との安定的な取引をベースに手堅く成長してきた。グループ全体で5期連続増収を達成しているが、これはM&A(企業の合併と買収)の効果が加わったもので、「本体の成長をより加速させることが課題」(コンサルティング営業部の石川暢彦部長)だった。

 そこで打ち出したのが、新規顧客を開拓するコンサルティング営業の強化だ。2006年4月に4人のメンバーで立ち上げ、ここへきて約30人体制まで拡充させた。年商100億円超の中堅・準大手をメインターゲットとし、大手メーカーなどを介在させない元請け受注の獲得を優先。全社的に見てこれまで手薄だった製造業に重点を置くのが特徴だ。昨年度(08年3月期)は10社余りの新規客の開拓に成功した実績を評価され、今年4月、インキュベーション部門から正式な営業部に昇格した。

 提案型のコンサル営業を推進していくために、オリジナルのサービスメニュー体系を2年がかりで整備。安心・簡単・便利の“3点(スリーポイント)”をコンセプトとし、メニュー体系の名称も「ThreePoint」とした。全業種共通に対応した統合セキュリティや事業継続・危機管理メニューに加え、重点分野である製造業向けに無線タグ(RFID)を活用したメニュー体系も拡充。資材の調達から製造、流通まで一貫して管理できるサプライチェーンマネジメント(SCM)の受注に力を入れる。

 まとまった投資額が見込める「製造・流通分野のSCM案件の獲得に努める」(同営業部の平久章太郎・課長代理)と、製造業向けサービスメニューのより一層の拡充を急ぐ。競合はIBMやNECなど製造業に強いメーカーなどだが、引き合いを得た早い段階でSEを顧客先に出向かせ、技術的な話を詰めて「迅速な対応を行なう」(小野寺孝晃・課長代理)構えだ。技術陣の層の厚さを生かして受注拡大を進める。

 コンサルティング営業部では今年度、前年度と同様、10社余りのターゲット顧客の開拓を目指すことで新規事業拡大の推進機関の役割を担う。