クレオ(土屋淳一社長)は、自社ERP(統合基幹業務システム)パッケージ「ZeeMシリーズ」を主力事業にする。現在、同シリーズは年商300-500億円の中堅企業を中心に販売しているが、さらに中小企業にはSaaS型、大企業にはアウトソーシング型で提供を順次開始し、事業全体を底上げする。販売拡大に伴って大手メーカー系列の販売会社/SIerや独立系SIerなどのチャネルも増やす計画だ。

 同社はこのほど、「ZeeMシリーズ」にSaaSプラットフォームを利用したものやアウトソーシングといった新サービスを計5種類発表し、10月にかけて順次提供を開始する。

 既存製品のアップデート機能としては、ZeeM会計で処理した決算データを連結決算や決算開示書類作成システムと連動させる「決算開示短縮パック」(8月)、パート・アルバイトの就業管理などを行う「パートアルバイトマネージメントパック」(8月)、中小企業向けに低価格・短期導入を実現した簡易モデル「スリムパック」(10月)をリリースする予定だ。

 さらに、新サービスとしてはZeeM製品やハードウェア、データベースなど全システムを預かる「アウトソーシングサービス」(6月)と、当初自社でデータセンターを借りてSaaSプラットフォームを構築し、月額課金制でZeeMを利用できる「SaaS販売モデル」(10月)を開始する計画だ。

 同社はこれまで、富士通などからの受託ソフトウェア開発で主に収益を上げてきた。しかし、土屋社長は「将来を見据えてビジネスを見直す時期にきている。これからはZeeMを中核とした事業を当社の主力ビジネスにする」と、粗利の薄い受託開発からパッケージビジネスへの移行期に差し掛かっていると訴える。昨年度(2008年3月期)の売上高に占めるZeeM事業の割合は20%弱。今年度はこの比率を30%程度まで引き上げたいとしている。

 ZeeMの販売パートナーとしては現在、富士通ビジネスシステム(FJB)や6月に包括提携したインテックなど30-40社が存在する。大矢俊樹・取締役CFO&ZeeM事業担当役員は「ZeeMの顧客だけで約220社。前版のCBMSの導入先を加えれば1700社に及ぶ。下請けでなく、直接顧客と関係を持つ数を増やし、追加開発などストックを増やす」と、ビジネスを大転換する方針だ。

 一方、10月にサービス開始予定の「SaaS販売モデル」の価格やサービス体系については、「直販と間接販売の両面で顧客を増やす。料金は、中小企業エリアで競合するオービックビジネスコンサルタント(OBC)やピ-・シー・エー(PCA)などの価格と比較し、勝負できる値段にする」(大矢取締役)と明言している。