電子認証サービスのグローバルサイン(中條一郎社長)は、業種や特定プラットフォーム向けのビジネスを拡大させる。これまで、サーバーやクライアント端末向けの汎用的な認証サービスをメインにしてきたが、今年8月から小売・流通業向けの次世代EDI(電子データ交換)「流通ビジネスメッセージ標準(BMS)」の認証サービスをスタート。プラットフォーム分野ではアドビシステムズのPDF向けのサービスを始めている。

 流通BMSでは、EDIに強い大手SIerのインテックグループに次ぐ2社目の認証サービス会社。EDI向けサービスでは後発であるものの、流通BMSはこれから本格的に普及する新しいEDIである。このため「実質ゼロからスタートするもので、勝機は十分にある」(近藤秀樹・流通BMSプロジェクトマネージャー)と、手応えを感じている。

 また、流通BMSのSIを請け負う他のSIerにとってインテックはライバルだが、グローバルサインはSIは手がけない中立的ポジションを占める。ニュートラルな立場を生かし、「SIerと良好な関係を築く」(営業担当の中嶋康章氏)。具体的には、営業や技術的な支援、パートナー優待販売を用意するなどしてパートナー網を拡充。最終的には流通BMS分野でシェア50%超を獲得し、トップシェアを目指す。

 グローバルサインの特定業種への対応は今回が初めて。ここで実績をつくり、他業種に向けた認証サービスビジネスの横展開の足がかりにする考えだ。

 電子認証サービスは、同業他社とのサービス内容の差別化が難しい傾向にある。今回の流通BMSでは、早い段階で運営団体の流通システム開発センターから認証サービスの提供ベンダーとしての承認を得たことで、先行者利益が期待できる。PDF向けでもアドビと組み、他の認証サービス会社との差別化を図っている。流通システム開発センターやアドビなど、ユーザーから見て信頼元となる“トラストアンカー(信頼の起点)”との関係を今後も強化。業種・特定プラットフォーム向けのサービスメニューの拡充を進める。

 今年度(2008年12月期)のセキュリティ事業におけるグローバルでの売上高は、前年度比62.2%増の15億8000万円を見込む。業種やプラットフォーム対応を進め、認証サービスビジネスの安定的な成長を支えていく方針だ。