新規市場のRIAを巡って、アドビシステムズの独走を阻止しようとする動きも活発だ。最右翼がマイクロソフトで、Flashに対応する「Silverlight(シルバーライト)」を投入する。年内に投入予定の次期バージョンでは、Windowsアプリケーションの開発ツールとの連携を強めるなど、RIAを意識した展開を加速させる方針を示す。

 当初、FlashやSilverlightは、動画を配信できるコンシューマ向けのUI部材の一つとしか認識されていなかった。だが、アドビがAIRを出し、マイクロソフトがアプリ開発のツール群との連携を強化。企業向けRIAへの応用が一気に進む可能性が出てきた。

 アドビでは、「SilverlightはFlashの対抗ではあっても、AIRには及ばない」(関係幹部)と冷静を装う。しかし、業務アプリケーションの開発実績ではマイクロソフトが先行するため、Silverlightを企業システムで使うRIAに適用していくビジネスパートナーも今後、増えることが予想される。

 FlashやPDF、Windowsなど業界のデファクトスタンダードを持つ両社は、既存の強みを巧みに生かしながらRIA市場をリードするものとみられる。勝負のポイントは、オープン性、ユビキタス性をどこまで打ち出せるかにある。顧客企業はコスト増の原因になる特定ベンダーへの依存を嫌う。しかも、携帯電話や情報端末などデバイスを問わないプラットフォームへの需要が高い。

 アドビはPDFの仕様を公開。国際標準化機構(ISO)の標準として今年7月に承認された。Flashもこれまでパソコン以外のデバイスには有料で提供するケースがあったが、これを一部無料化する。マイクロソフトもオープン、ユビキタスには力を入れている。今年から来年に向けてユーザーやビジネスパートナーの獲得競争が一気に過熱する見通しだ。