リコー(近藤史朗社長)とウイングアークテクノロジーズ(内野弘幸社長)は、基幹システムの帳票出力分野で資本提携した。リコーはウイングアークのファンドから発行済株式総数の1%相当を取得。リコーが重点事業に位置づけている「プロダクションプリンティング(PP)」分野で、主に技術的な協力関係を深めて大量出力システムの信頼性を高める。今回の資本参加は「これまでのリコーで最も大きい」(同社広報)と、提携の重要性を強調している。

 リコーは日立製作所や米IBMのプリンタ部門を相次ぎ買収し、重点事業として基幹プリンティング分野の体制強化を進めている。PPのうち基幹プリンタの機能として最も重要なソフトウェアとなる帳票出力分野で、同業界国内トップのウイングアークに資本参加して相互検証や開発の速度を早める。

 ウイングアークが株式上場前の資本政策の一環としてリコーに資本参加を打診。リコーがこれに応じ、ウイングアークの株主であるアドバンテッジパートナーズLLPのサービス提供ファンドから株式を取得した。

 両社は、基幹システムの帳票印刷で高信頼性の確保を目的に開発したリコー独自の印刷プロトコルとウイングアークの帳票基盤ソリューションで技術連携を強化する。このほかでは、文字フォント「住民基本台帳ネットワーク統一文字」に対応した帳票印刷環境を整えて自治体に売り込んだり、帳票のカラー化の進展に向けバリアブルデータ(可変データ)の高速処理方法などを共同研究する。

 国内では、中堅・大企業を中心に企業システムのホスト側のオープン化が進展して、帳票など大量印刷用の基幹プリンタのオープン化やカラー化ニーズが高まっている。そのため「より信頼性の高い処理ができることが求められ、両社の共同開発製品ならば100%大丈夫というレベルにして、多くのSIerに展開できるようにする」(鈴木浩一・プロダクションプリンティング事業部部長)と、企業の基幹システムと連動する帳票システムの円滑な運用を実現する製品を打ち出す。

 ウイングアークの勝見成久・事業統括本部本部長は「これまで、プリンタ会社とは案件ベースで協力関係を築いてきた。ソリューション販売をするSIerなどへの信頼性を確保するうえで、リコーとの協力関係は重要と判断した。これまで当社でも行っていた負荷分散テストなどを、より迅速かつ確実にできる」と、案件ベースの製品展開でなく汎用的なソリューションを打ち出し、リコーの販売網などを生かした製品展開をする方針だ。