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米リマージュ 日本中心にアジア地域を伸ばす 3年以内に売り上げ比率20%へ

2008/08/25 21:06

週刊BCN 2008年08月25日vol.1248掲載

 CD/DVD専用プリンタ機器メーカーの米リマージュは、アジア地域でビジネス拡大を図る。日本市場では、各業界に強いベンダーを販売代理店として確保することに力を入れており、特定業界に限らず幅広く販売する体制を整える。日本を成長軌道に乗せることにより、売り上げ比率が10%未満のアジア地域を3年以内に20%にまで引き上げる。

 米リマージュは、デジタルデータをCDやDVDにオンデマンドで書き込める専用機器を開発するメーカー。ワールドワイドの売上高は2007年に130億円に到達しており、ここ数年、堅実な成長ぶりを示している。日本法人の設立は05年。医療業界を中心に受注を増やし、最近では音楽などエンタテインメント業界でもユーザー企業を獲得している。

 日本市場で徐々に販売が伸びていることから、ここで一気にビジネス拡大を図ろうとしている。米リマージュのメニー・アルメディア・エグゼクティブバイスプレジデントは、「北米では、製造や金融、小売、官公庁など、多くの業界で導入実績を持っている。このノウハウを生かし、日本でもビジネス領域を広げていく」としている。

 日本で成長路線を敷くには、「販売パートナーを増やすことが重要」(アルメディア・エグゼクティブバイスプレジデント)と認識し、販売代理店策の導入を進める。ワールドワイドでは、欧州をはじめとして「VARプログラム」と呼ばれる支援策で300社程度の販売代理店を獲得しているという。リマージュジャパンの小山田佳裕・代表取締役は、「日本でも本格的に展開する」方針を表明。まずは、各業界に強いベンダーと戦略的なアライアンスを組むことで販売体制を整備する。さまざまな業界でソリューション提供の実績を蓄積した段階で、ディストリビュータを通じたボリューム販売のビジネスモデルを構築する考えだ。最近では、「データ容量の増大で一般オフィスでもディスクによる管理ニーズも再認識されていることから拡販できる」と自信をみせている。

 同社は、世界初のフルカラーCD/DVD専用プリンタ開発などでワールドワイドでは知名度が高い。一方、日本は特定業界へのアプローチに力を入れてきたこともあり、一般的なブランド力としては低いのが実情。しかし、米国本社では「日本は、売り上げを伸ばすための重要な市場」(アルメディア・エグゼクティブバイスプレジデント)と位置づけており、小山田氏を日本法人の代表取締役だけでなくアジア地域の重要なポストにも就任させている。「日本のノウハウを、アジアのビジネス拡大に生かす」(同)。日本法人の成長がアジアビジネスを成功に導くカギとなる。
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