リコー(近藤史朗社長)は8月27日、米OA事務機ディーラー大手のアイコンオフィスソリューションズ(IKON社、ペンシルベニア州)を買収すると発表した。買収額は同社の過去最高額となる1721億円。大手顧客向けを中心に世界規模での販売・サポート/サービス体制が求められたことに応えるためで、IKON社の買収を機に世界戦略を加速する。デジタル複合機(MFP)やレーザープリンタ(LP)、大型のプロダクションプリンタ(PP)などの販売は、「単体売りでなく、ソリューション販売による直売(直販)傾向が強まる」と記者会見で近藤社長は述べ、同社の代理店施策の転換点になる買収であると説明した(関連解説は9面の「視点」に)。

 IKON社は、リコーのエリア別収益で厳しい局面にある北米と欧州を中心に400以上の販売拠点を持つ独立系事務機ディーラーの大手。販売する事務機器の約6割がキヤノン製で、リコー製は3割を扱う。連結売上高は、2007年9月期で41億6800万ドル(約4500億円)。

 北米では、PPを持つ米IBMのプリンタ子会社を買収したが、販路に期待していた事務機ディーラーの米グローバルイメージング社が米ゼロックスに買収され「困っていた」(近藤社長)ところに、今年4月にIKON社から買収の話を持ち掛けられた。三浦善司・専務によれば「(IKON社は)競合他社にも働きかけていた模様」で、プリンタ会社の世界的なディーラー獲得合戦が熾烈化していることが分かる。

 リコーは、「顧客価値の創出」を眼目に、ソリューション提案力を強化することなどを理由に国内販売子会社の統合を進め、直販体制を強化している。近藤社長は「大塚商会などのようにソリューション販売できるディーラーは生き残るだろう」と述べ、プリンタを“箱売り”するだけのディーラーに見切りをつけるなど、代理店施策を見直す時期にきていることに言及した。