ブロードバンドタワー(BBタワー、大和敏彦社長)は、主力のデータセンター(DC)事業の付加価値化を推進する。SaaS型アプリケーションサービスの拡充や、データセンター事業を円滑に進めるうえで必要なアプライアンス機器の販売も視野に入れる。販売面ではリースを軸に多角的な事業を展開するオリックスグループと連携。同グループの顧客向けの営業を強化することで商材の拡販につなげる。

 大手ITベンダーやSIerによるDC新設が相次ぐなか、DCを活用したサービス競争が激しさを増している。東京と大阪に計4か所の自社DCを運営するBBタワーは、全国に約50万社の顧客ベースを持つオリックスグループや、ISVなどアプリケーションソフト開発ベンダーと連携し、DCをベースとした付加価値サービスを強化することで差別化を図る。

 まずは、サイバーソリューションズのセキュアな電子メールシステムをBBタワーのDCを使い、SaaS/ASP方式で顧客に提供するアプリケーションサービスを今年8月からスタート。オンデマンド型のアプリケーションサービスの分野でサービスベンダーと連携したケースは今回が初めて。今後は、例えばグループウェアや経費精算、簡易な会計ソフトなどのサービスメニューの拡充を視野に入れる。

 BBタワーは、これまでDC事業を中心としてきた経緯もあり、営業力の弱さがネックになっていた。付加価値サービスを拡充するに当たり、オリックスグループとの連携強化を進める。同時に主にファッションブランドのネット通販の分野で、三井物産とも提携している。ニュートラルな立場にある「独立系DC事業者の強みを生かす」(大和社長)ことで、有力商材を持つベンダーや営業力のある事業者とのアライアンスを推進。迅速なビジネス拡大を目指す。

 また、ソフト・サービスだけでなく、ハードウェアプロダクトの販売も手がける。すでにクラスタ・ストレージベンダーのアイシロン・システムズの製品を主にビジネスパートナーを経由して販売している。これに加えて、今後は、自社のSaaS/ASPサービスを円滑に進める上で有用なデバイスとなるネットワークやセキュリティのアプライアンス機器の取り扱いも検討する。

 中堅・中小企業や大手企業の部門向けのビジネス拡大には、ワンストップのサービスメニューを整備することが欠かせない。ソフト・ハードの両面での商材を拡充することで、売りやすい仕組みづくりに取り組む。昨年度(2008年6月期)連結売上高は、前年度比15.4%増の97億円だった。DC事業の付加価値サービスを強化し、販売網を整備することで2年後の2011年6月期の売上高を昨年度の倍増近い190億円まで拡大させる計画を立てる。