パートナー連携強めるコミュニティ開設

 日立製作所(古川一夫社長)は、Webアプリケーション実行・開発基盤ソフトウェア群の新版「Cosminexus V8」を発売した。約3年ぶりのバージョンアップで、アプリケーション処理の停止トラブルを防ぐ独自のメモリ管理方式を採用するなど製品力を高めたほか、パートナー向け施策では、技術・プロモーション情報提供やSI支援のためのツール提供、パートナー同士の情報交換などを目的とした支援制度「Cosminexus パートナーコミュニティ」を12月に開設する。製品力の向上とパートナーとの協業を加速させることで、シェアトップの富士通を追撃する。

 「Cosminexus」は、Webアプリケーションの実行・開発基盤ソフトを中心としたソフトウェア群で、日立製ミドルウェアの主力製品。アプリケーションサーバーだけでなく、フロントやプロセス、情報統合基盤のコンポーネントも用意する。アプリケーションサーバーは、OSS「Tomcat」からの移行が比較的容易で、開発環境は5万円、実行環境は120万円からと価格も安い。そのため中堅・中小規模システムにも適しているという。

 新版のアプリケーションサーバーでは、一般的なWebシステムで発生する「Fullガベージ・コレクション(Full GC)」という、メモリの解放処理によるアプリケーションの停止トラブルを業界で初めて解消。信頼性と安定性を向上させた。また、フロント統合基盤分野では、新製品「Navigation Platform」を追加。業務プロセスの可視化や業務ノウハウのシステム化サポート機能を利用できるようにした。

 今回の新版リリースでは、製品力強化以外にパートナー向けの新支援制度も開始する。同製品を活用するソフト開発会社やSIer向けに販売および開発面をサポートするため「Cosuminexus パートナーコミュニティ」をつくり、12月に開設する計画だ。このコミュニティでは、①情報提供②マーケティング③セールス④トレーニング⑤技術サポートの5分野でパートナーを支援する。まずは情報提供充実のために専用サイトを開設するほか、マーケティング分野では市場調査データやSOAケーススタディ情報を提供。技術サポート分野では、システムのパターンを選択すると基本設計に必要な情報を取得できるツール「SIナビ」を提供する。このほか、トレーニング分野では認定資格講座を拡充する。

 また、パートナーコミュニティでは、テーマ別の分科会を設置。パートナー同士が共通するテーマについて事例研究を行い、悩み・課題を共有化することでパートナー各社のスキル向上やビジネスプラン立案に役立ててもらう狙いだ。「ユーザビリティ」「SOA」「インメモリ技術」「SIサービス工業化」の4分科会を12月から順次開設していく。

 小池雄一・アプリケーション基盤ソフトウェア本部担当本部長はコミュニティの設置に関して、「これまで各パートナーに日立から個別に行ってきた支援内容を、体系立てて強化したのが今回のコミュニティ。単なる製品の提供だけでなく、販売と技術の両面から提供する支援プランを『Cosminexus』の付加価値として、パートナー増強を図りたい」と説明している。

 「Cosminexus」のパートナー数は現在100社だが、これらパートナーとの連携強化を中心に新規パートナーも募る方針だ。