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インフォトレンド 日本は“ロングテール”戦略で アジアの売上成長率20%増に

2008/10/20 21:10

週刊BCN 2008年10月20日vol.1256掲載

 RAIDを中心としたストレージ機器メーカーの台湾インフォトレンドテクノロジーは、日本市場で外資の競合他社が参入できていない業界に特化。“ロングテール”戦略でビジネス拡大を図る。全社的にアジア市場での成長を期待しており、その要が日本。新規顧客を開拓し、成長を軌道に乗せる。日本市場での成長にともない、アジア地域全体の売上高で前年比20%増を目指す。

 同社が掲げる“ロングテール”戦略とは、優良顧客がひしめく業界ではなく、需要が眠る業界を順次ピックアップして、結果的に幅広く新規顧客を開拓するというもの。アジアパシフィック地域のセールスを担当するスコット・ウー・ゼネラルマネージャーは、「競合他社は海外メーカーを中心に、どこも上位20%の優良企業が存在する業界に対して積極的にアプローチしている。これは、優良企業で売上の8割を占めようという意図からだ。しかし、優良企業以外のほうが80%を占めているため、潜在顧客企業の絶対数では多いはず」としている。

 具体的にアピールする業界は、医療関連。「日本ならではのカスタマイズを行い、ストレージをベースとしたソリューションを提案していけば、案件を獲得できる」という。実際、東芝メディカルをユーザー企業として獲得。日本ならではのカスタマイズに関しては、生産と開発の拠点を台湾に置いているために対応が遅れるとの見方があるが、「専門チームを編成して、常にカスタマイズに対応できる体制を敷いた」と自信をみせる。また、映像関連でも顧客を開拓していく方針で、このほどアップル日本法人とMacユーザーの企業に対して、インフォトレンドのストレージを提案していくためのアライアンスを組んだ。

 販売代理店とのパートナーシップ強化策については、共同の市場開拓やマーケティングを行っていくほか、技術サポートや物流面で組織体制を敷いている。販売代理店は、ニューテックや日本ソルテック、ぷらっとホーム、コンピュータダイナミックスの4社。「増やすことよりも、関係を深めることで拡販体制を整えていく」としている。
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