ストレージ関連ディストリビュータのキング・テック(王遠耀社長)は、今年10月1日付で、ソフトウェア事業を手がけるKTソフト(八重田幸男代表取締役)を設立、ソフトウェア事業の拡大に乗り出した。同社を通じて、大手ISVやベンダーなどとのアライアンスを進め、ソフト分野における日本と東アジアの“架け橋”的な役割を果たそうとしている。売上高については、5年後に5億円規模を目指す。

 KTソフトは、キング・テックの子会社としてソフト関連事業を専門に手がけるベンダー。国内ISVのパッケージソフトをディストリビューションするほか、東アジアのベンチャー企業が開発するソフトを国内市場で販売することも事業の柱の一つに据える。また、パッケージ販売だけでなく、SaaSを視野に入れた取り組みも進める。さらに、グループ内で行っている受託開発のノウハウを生かし、キング・テックブランドのソフトも販売していく。

 現段階では、販売代理店となる国内SIerや東アジアでの販路を開拓している状況。東アジアへの進出についてはまず、中国でキング・テックがアライアンスを組むデジタルチャイナ経由でビジネスを手がけていく。ソフト開発のキングソフトと契約を結ぶ予定で、さまざまな方面で事業基盤を固める。八重田代表取締役は、「幅広い事業領域でビジネスを展開したい」考えを示している。

 これまでキング・テックでもソフト関連のディストリビューションを手がけていたが、KTソフトの最大の特徴は「ソフトのディストリビューションとして、ストレージ関連に特化していないこと。販売代理店の声を聞き、ISVとのアライアンスを重視することで、これまでにはなかったソフトビジネスを築いていく」(八重田代表取締役)と自信をみせる。キング・テックブランドでのソフト開発を担当している桜井静香・経営アドバイザーは、「これまで手がけてきた販売管理や会計などの受託開発のノウハウを自社ソフトのパッケージ化に生かす」としている。ISVがSaaSでの提供を視野に入れていることから、「オンデマンド型サービスの流れにも当社が役目を果たしていく」(八重田代表取締役)方針で、データセンターやPaaSベンダーなどとのアライアンス強化も行っていく。

 キング・テックグループでは、ストレージ製品の販売を中心に事業領域を広げることに力を注いでおり、今回の子会社設立もその一環。キング・テックの王社長は、「今年度(2009年9月期)は、グループ全体の売上高で45億円(前年度は約40億円)を狙う」としている。