パソコンと映像の親和性を訴求

 日本AMD(吉沢俊介社長)は、パソコンでHD(ハイ・デフィニション)を実現する取り組みとして進める「AMD HD! エクスペリエンス」が好調だ。対応製品が拡充していることから、家電量販店やパソコン専門店にとってはパソコンの拡販にもつながる可能性が高い。

 「AMD HD! エクスペリエンス」は、同社のPCプロセッサで実現できるHDソリューションをコンシューマユーザーに浸透させる策で、パソコンだけでなくソフトウェアやHDビデオカメラなど周辺機器や関連機器を網羅したもの。協業パートナーは増えており、9月末の時点で37社を獲得している。発表当初は、まずデスクトップでの対応がメインだったが、現段階はノートパソコンにも対応している。

 この取り組みによる効果として、同社は個人向けパソコンユーザーの買い替えを促進につなげることを挙げている。吉沢社長は、「映像関連でパソコンが活用されることは、まだまだ少ないのが実状。したがって、パソコンで何が行えるかをユーザーに訴えていくことが必要」としている。家電量販店やパソコン専門店で、パソコンと映像関連機器のコーナーが分かれているケースもあり、パソコンを中心としたデモ展示を増やすことでユーザーニーズを掘り起こすことができる可能性を秘めている。家電量販店のなかには、ユーザーに分かりやすいようにデモコーナーを設置するケースも出てきており、個人向けパソコン市場の活性化につながりそうだ。

 これまで、パソコンメーカーは“テレパソ”などと称された映像関連機能搭載のパソコンの拡販に力を注いできたが、薄型テレビ需要を取り込むまでには至らなかった。今後は、映像の編集の容易性や映像コンテンツの保存にパソコンが適しているという本来の機能を訴えていくことが、パソコンのリプレースを促進させるカギといえるだろう。同社がHDとの協調性をアピールできたのは、グラフィック関連のプラットフォームメーカーであるATIを買収したことが最大の要因。パソコンと映像の親和性が高いことを訴えることが可能になったというわけだ。

 パソコンを取り巻く環境は、機能をシンプルに抑えたUMPC(ウルトラモバイルPC)の出現もあって、買い替え需要が出てきている状況でもある。これに、パソコンで映像編集を行うという用途が認識されるようになれば、再び市場が盛り上がるはずだ。