セキュリティアプライアンス製品の開発・販売会社であるテックリンク(坂憲一CEO)は、中堅・中小企業(SMB)に定評のあるアンチスパムやメールアーカイブ製品などの販売を拡大する。2年ほど前から自社開発を開始した同社だが、その製品は導入が簡単で安価なため、販売代理店を通じて急速にSMBに普及した。今年度(2009年9月期)は、SMB向け販売網を拡充するほか、システム提供するSIerなどに対し中堅・大企業向けのアプライアンス製品をOEM(相手先ブランドによる生産)供給したり、ASPサービスの提供を増やすことで売上増を狙う。

 同社の代表的な製品としては、従業員500人以下の企業を対象にしたメールアーカイブアプライアンス「メールタンク」や、今年8月に提供開始したPOP3(電子メール保存サーバーからメール受信するプロトコル)対応の迷惑メールアプライアンス「SPAM SHOOTER(スパムシューター)」などがある。両製品ともにメールサーバーを持たない企業でも導入が可能なため、メールセキュリティ対策やコンプライアンス強化を低価格で実現したい中小企業などに販売数が伸びている状況だ。

 「メールタンク」は蓄積したメールデータをOutlookなどIMAP(インターネット・メッセージ・アクセス・プロトコル)対応メールソフトウェアで見ることができる。高度なIT知識を持たない担当者でも簡単に監査でき、ネットワーク設定を変更せずに使える。また、メールサーバーを預かるホスティングサービス企業に導入できるのも特徴だ。スパムシューターはPOP3対応のスパムメール検知隔離機能や正常受信メールの保存機能を搭載する製品。今年11月には、国内ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)10社中8社が採用するスパム検知エンジン「Cloudmark Authority」を「価格据え置き」(坂CEO)で統合した。

 同社は両製品のノウハウや技術を基に、「メール監査/保存サービス」としてASPサービスを行っているほか、今後ISP向けサービス提供も増やす計画だ。SMB向けのアプライアンス製品の代理店としては現在、東芝情報システムプロダクツやダイワボウ情報システムなど25社と提携。この先、SIerを中心にさらに代理店を増やす。さらに、中堅・大企業向け製品として大規模向けを得意とするSIerへのOEM供給を獲得。坂CEOは「今期中に売上高1億円に到達し、5年後に株式上場を狙う」との計画を明らかにしている。