日立製作所(古川一夫社長)のソフトウェア事業部は、Webアプリケーション開発・実行基盤「Cosminexus」で、ネットワーク機器大手のF5ネットワークスジャパン(F5、長崎忠雄社長)との協業を加速させている。両社の製品を連携動作させるために技術的アライアンス体制を整えているほか、販売戦略面でも手を握り、11月上旬には初めて共同セミナーを開催した。ネットワーク機器との連携による「Cosminexus」の優位性をF5とともにアピールする考えだ。

 日立のソフトウェア事業部とF5は、Webシステム関連で昨年から本格的な協業体制を築いていた。F5からの提案がきっかけだが、日立もWebアプリ開発・実行基盤ソフトを拡販するうえで、ネットワーク機器との連携動作による付加価値は必須とみてアライアンスを組んだ。約1年で両製品の技術検証を済ませ、連携動作を可能にした。両製品を組み合わせることで、Webシステムの負荷分散と大量リクエストを高効率で処理するための流量制御、重要なリクエストを優先的に処理することなどが可能になり、高い信頼性を持ったWebシステムを構築できるようにした。

 今秋、両社は協業内容を広げ、販売面でも連携を取り始めた。11月上旬、日立グループの経営・ITコンサルティングサービス会社である日立コンサルティングを交えた3社共同の製品セミナーを実施。共同セミナーは今回が初めての展開で、約20人のユーザーなどが参加した。

 セミナーで講演した相澤宣一・ソフトウェア事業部アプリケーション基盤ソフトウェア本部主任技師は、「初めての取り組みだが、参加者の関心は高く好感触を得ている」とし、「今後は、外向きだけでなく日立のSE部門にも両製品を連携させることによるメリットを訴えて日立社内の知名度を高める」と説明している。

 一方、F5の宮崎佑一・マーケティングビジネスディベロップメントマネージャは、「グローバルでアプリケーションやミドルウェアとの連携を進めるなか、日立とさらに深く協業できることは大きなプラス。技術的にも販売面でもこれまで以上に密な連携を取りたい」と連携強化をさらに強く推進する姿勢だ。

 日立では、12月に発足する予定の「Cosminexus」の販売パートナーコミュニティで両製品の連携メリットをアピールしていく方針。日立はF5との連携動作を付加価値にし「Cosminexus」のシェア拡大を狙い、F5は現在約100社となっている「Cosminexus」パートナー経由で自社ネットワーク機器が流通・販売されることを期待している。