ニュース
アスース・ジャパン 法人向け販売を強化
2008/12/01 21:13
週刊BCN 2008年12月01日vol.1262掲載
ミニノートは、インターネットや電子メールの利用を念頭において機能を絞ったノートパソコンで、モバイルインターネットデバイス(MID)とも呼ばれる。アスース・ジャパンのミニノート「Eee PCシリーズ」は今年4月頃から世界的に売れ始め、国内でもシェアを急速に伸ばした。BCNランキングの直近3か月(8-10月)のノートパソコン販売台数シェアはEee PCシリーズを中心に10%近くまで拡大。NECや富士通など国産勢の背中が見えるまで迫っている。
これまでマザーボードなどパソコンパーツ分野でのブランド力は強かったが、パソコン本体の国内での認知度は決して高くなかった。ミニノートの成功によってパソコンメーカーとしてのブランド力を高めた同社では、09年から本格的に「ビジネス市場への拡販」(杜社長)にも努める考え。国内にはサポート拠点しか置いていなかったが、今年7月にマーケティング機能を大幅に強化。日本独自のビジネス戦略を打ち出せる経営体制を整備した。来年1月には大阪に拠点を開設し、手薄だった関西方面の営業をテコ入れする。
5万円を切る低価格ノートパソコンは、もともと途上国にインターネット端末を普及させるなどの狙いで開発されたものだ。インテルの価格を抑えたプロセッサ「Atom」やマイクロソフトの協力を得ながら、「彼らと共通の目標をもって」(同)取り組んできた。ところが、先進国でも気軽に持ち運べるネット端末として大ヒット。従来、5万円パソコンに参入していなかったメーカーの追随現象も起きた。
11月には、ディスプレイの大きさが10.2インチの新機種を投入。7インチからスタートしたミニノートは10インチ台へと大型化した。ノートパソコンについては、国内外のパソコンメーカー入り乱れての「混戦状態が来年以降も続く」と杜社長はみており、法人向けを含むパソコン市場全体でのシェア拡大に意欲を示す。
- 1