100億円上乗せへ

 JBCCホールディングス(JBHD、石黒和義社長)は、ハードウェアやサプライ販売を今後2年間で100億円上乗せする。グループ会社で付加価値ディストリビュータのイグアスが好調なことから事業規模をより拡大させる。ハードウェアの単価下落や競争激化で苦戦するSIerが多いなか、日本IBMのビジネスパートナーであるJBHDは、ディストリビューション事業をイグアスに集約することでビジネスを伸ばす。ハードウェアビジネスの課題解決に通じるモデルと言えそうだ。

 日本IBMの商流変更の追い風もあり、イグアスは今年度(2009年3月期)までの2年間で売上高をおよそ100億円伸ばす見込み。パソコンやプリンタなど日本IBMが扱っていない商材を積極的に揃え、ビジネスパートナーがワンストップで調達できるよう利便性を高めてきたことが販売増につながった。

 この10月にはグループ会社でサプライ用品販売のサプライバンクと合併。物販卸機能をイグアスに集中させることで効率化を推進する。旧サプライバンクの今期売り上げ見通しの135億円を合計すると、イグアスの今期年商は400億円弱に達する見込み。他のメーカー系列のSIerがハードウェアの単価下落や販売不振で売り上げを減らすケースが多いなか、JBHDはイグアスを軸に売り上げを伸ばす。再来年度までに、さらに100億円上乗せして年商500億円を目指す。

 ただし、グループ中核企業でSIerの日本ビジネスコンピューター(JBCC)本体のシステム(ハードウェア)売上高は、他のSIerと同様、低調に推移した。この上期(4-9月期)は前年を大きく割り込んでいる。利幅が薄く、価格変動が激しいハードウェア販売をイグアスに集中させ、ビジネスパートナーへのディストリビューション事業を拡大させたことで売り上げ増を堅持。日本IBMのトップソリューションプロバイダの看板を守る戦略が実りつつある。

 日本IBMは、ビジネスパートナーへ直接ハードウェアを卸していた従来方式を、イグアスや日本情報通信(NI+C)などのディストリビュータ経由に順次切り替えてきた。こうしたプラス効果に加え、イグアス独自の製品サポート情報や互換性の検証などの付加価値サービスを充実。新規のビジネスパートナーの開拓に結びつけた。上期末で約460社のビジネスパートナーを、今期末までに500社へ拡大させる。


 一方、JBHDグループは、IBM独自アーキテクチャ「Power Systems(旧iシリーズ)」のビジネスを基盤としながらも、PCサーバーを中心とする「オープンシステムビジネスに力を入れる」(JBHDの石黒和義社長)という重点施策を打ち出している。レノボ・ジャパンがPCサーバーに本格参入したことから、ハイエンドのIBM製からローエンドのレノボ製まで品揃えが拡充することとなった。「レノボはIBM製品と並んで他社と差別化できる要素」(イグアスの矢花達也社長)と位置づけ、積極的に販売していく方針。

 また、JBグループ独自の製品を開発する戦略子会社JBアドバンスト・テクノロジー(JBAT)のアプライアンス製品を、イグアスで築いたディストリビューション網で拡販。収益力の向上を図る。オリジナルで開発したBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトを専用ハードに組み込んだり、シンクライアントソフトをUSBメモリに組み込むなどしたアプライアンス製品を相次いで投入。ソフトとハードを一体化することで手離れをよくし、「イグアス経由で広く一般のビジネスパートナーに売ってもらう」(JBATの山田隆司社長)商材づくりを加速させる。

 オープン化・コモディティ化が急速に進んだハードウェア販売がSIerの本業でなくなったことは明らか。それでもメーカー系SIerがハードやサプライでビジネスを成り立たせる一つの成功モデルとしてイグアス方式は参考になりそうだ。