ジャストシステム(浮川和宣社長)では、法人向けATOK事業が好調に推移している。ATOKをベースにシステム案件を獲得。事業拡大を図るため、今後は販売代理店とのパートナーシップ深耕を模索する。

 同社のATOK事業は2008年度(09年3月期)中間期の売上高が前年同期比36%増と好調。OEM(相手ブランドによる製品供給)では最近、パソコンに加えて携帯電話やセットボックス、カーナビゲーションへの搭載が進む。店頭販売のパッケージ製品では、このほど「ATOK2009」を発売。変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」の強化で日本語変換精度が向上したほか、英語入力をサポートする「英語入力支援機能ATOK4E(forE)」を搭載するなど大きなバージョンアップを図った。ATOK事業では、OEMとコンシューマの2分野が柱だが、第3の柱として「法人向けソリューション」が拡大傾向をたどっているという。

 法人市場でのATOKをベースとしたシステム案件の一例として「辞書配信システム」を獲得している。これは、用語不統一性を排除するもので、マスコミが導入した。ほかにも、統一した言葉を誤りなく効率的に文書を作成できるシステムを、製造業のマニュアル制作部やコールセンターなどに提案を進めている。佐藤洋之・アライアンスビジネス部ビジネス開発グループATOKビジネス統括ビジネスオーナーは、「大企業から小企業までを網羅してユーザーを獲得している」と自信をみせている。

 法人に対するATOKの提供形態は、ライセンスがメインだが、複数製品を組み合わせることでニーズに対応。各案件でSIerなどとアライアンスを組んでいるという。法人市場でシステムを獲得できるとの手ごたえから、「パートナープログラムや支援策などを策定していくことも検討している」段階だ。SIerとのパートナーシップを深めることが実現できれば、ATOK事業の大きな成長につながりそうだ。

 今年度の見通しとして「前年度比で40%増を目指す」方針を示す。07年には、パッケージとの連動でウェブサービスにも着手しており、拡大を図る体制を整えている。法人市場での拡大策については、「SIerとの協業強化でサーバー実装型の展開も進めていきたい」考えを示している。