NEC(矢野薫社長)とRSAセキュリティ(RSA、山野修社長)は、統合ログ管理分野で提携した。両社でアプライアンス製品を共同開発し、双方の販売代理店を通じて顧客開拓を行う。この事業では今後3年間で、機器販売とSI(システム構築)を含め200億円規模の売上高を見込んでいる。

 両社で共同開発したアプライアンスは、NECのPCサーバー「Express5800」にRSAの統合ログ管理ソフトウェア「RSA enVision」を搭載した「RSA enVision powerd by Express5800」。RSAは「enVision」を自社筐体に載せ、アプライアンスとしての販売を主に展開していた。今回のように他社筐体(製品)へのOEM供給は世界初という。

 ユーザー企業は、同製品がアプライアンスということで既存システムを大規模にリプレースせず導入できるメリットがある。機能面ではネットワーク機器やサーバー、ソフトなどが出力するログを網羅的にかつ高速で収集できる。ネットワーク周りまでをカバーした統合的なログ管理製品として、オンデマンドな要求に対応可能だ。また、高圧縮率で保管・収集した多数のログを効率的に分析することができ、わずかな兆候でもリアルタイムに問題を検出して通知したりレポート作成できる。そのため、金融商品取引法に規定された内部監査報告などが容易になる。

 主なターゲットは、初期段階として金融業界や官公庁・自治体、教育機関など大規模向けを想定している。NECの森正・第一システムソフトウェア事業部長は「内部統制を強化する需要として引き合いがありそうだ」と、年度末需要などを見込む。RSAの山野社長は「今年4月のJ-SOX法適用に向けて、株式上場企業を中心にした内部統制の取り組みは約1年が経過した。しかし、こうした企業ではネットワークを含めたログの履歴をすべて収集できずに頭を抱えている」と、内部統制強化に関連して同製品のニーズが高まるとみている。

 拡販施策ではまず、他社製ログ管理ソフトの導入企業に対してリプレースを促す。販路はNECのサーバー販社とRSAの「enVision」販社。RSAの山野社長は「情報セキュリティ市場は成長している。販社にとって同製品に関連したソリューション提供はビジネスチャンスになる」と、両社は新規代理店の開拓も視野に入れている。今回の製品提供ではコンサルティング会社のアクセンチュアが上流工程からのセキュリティ提案を手がける。

 NECでは、これによるサーバー販売の底上げを期待。これまで主に自社アプライアンスで「RSA enVision」を提供してきたRSAは、国内トップシェアであるNECのPCサーバーに搭載することで、製品を伸ばす機会に繋がるとみている。「enVision」は世界で1400社以上に導入され、このうち日本では150社に提供した実績がある。(佐相彰彦)