販社とのパートナーシップを深耕

 日立製作所(川村隆会長兼社長)は、資産管理ソフト「JP1」の新バージョン「Version9」を市場に投入、拡張性や簡便性などの強化を売りにして拡販を図る。既存顧客にリプレースを促すほか、対象を年商規模が小さい企業にまで広げて新規顧客を開拓。価格面やライセンス面で敷居を低くすることで需要を増やし、今後3年間で国内シェア5%増を目指す。

 調査対象をSMB(中堅・中小企業)に特化した民間調査会社のノークリサーチによれば、年商5億~500億円の企業を対象とする国内資産管理ソフト市場は、2008年9月時点で日立の「JP1」が26.4%でトップシェアを獲得している。100億~500億円に絞った場合は30.3%とさらにシェアは大きくなり、競合が激化する市場のなかで大きな存在感を示している。そして6月3日、既存顧客の囲い込みと新規顧客開拓でさらなる拡販を目指し、「JP1」新バージョンの販売を開始した。

 SMBでの導入を想定したときの新バージョンの売りは、「分かりやすい」こと。運用業務の切り口から簡便性を追求し、監視と管理機能の連携でシンプルな運用ができるほか、モニタリングとオートメーションの性能・操作性を強化している。仮想環境では、物理サーバーと仮想マシンの構成情報を一括収集でき、サーバーを増設しても稼働監視の迅速に開始できる。システム構成の変化にも柔軟に対応している。

 機能強化を武器に拡販を図っていくわけだが、同社は「販売代理店とのパートナーシップを深耕することが重要」(柴垣幸広・販売推進本部パートナービジネスセンタ長)と判断。販売代理店ごとに戦略を共有することで、導入を促していく。技術者の育成にも力を入れ、現段階で販売代理店にいる1万2000人程度のJP1資格取得者を、今後3年間で2万人に引き上げる計画だ。

 これまでSMB市場で顧客として獲得してきたのは、年商500億円規模の企業が中心だった。今回の機能強化で、「年商300億円規模の企業も視野に入れていく」という。そのため、ライセンス数や価格の敷居を下げた。これまでのネットワーク監視で250ライセンス(78万9000円)を50ライセンス(49万円)に、またセキュリティ管理で100ライセンス(110万円)を10ライセンス(40万円)に設定している。

 こうした策で、「今後3年間でシェアの5ポイントアップを果たす」と意欲をみせる。成熟した国内資産管理ソフトの活性化にもつなげる考えだ。(佐相彰彦)