GoogleやAmazonなど活用

 SIerのサイオステクノロジー(喜多伸夫社長)のクラウドシステムインテグレーション(クラウドSI)事業が急拡大している。GoogleやAmazonなどのパブリッククラウドを活用したSIが好調で、教育機関向けの案件だけに限っても、足下の累計受注件数は16件に到達。「引き合いベースの件数はその2倍。向こう1年で3倍に増やす」(喜多社長)と、鼻息が荒い。企業向けの案件も活性化しており、教育向けと並ぶ事業の柱に育てる方針だ。

 電子メールやワープロ、表計算ソフトを含む「Google Apps」や、サーバーリソースを貸し出す「Amazon EC2」などのクラウドサービスをベースとしたSIビジネスは、ここ2年余りで急速に拡大。サイオスでは、ユーザーの既存システムとのつなぎ込みやシングルサインオン(SSO)、データバックアップなど、強みとする技術領域とクラウドを巧みに組み合わせて顧客のニーズを掴んできた。

クリックで拡大  大学を中心に16校、約20万ユーザーを獲得。SIerのクラウドSIビジネスとしては、国内最大規模のユーザー数を誇る。パブリッククラウドの利点は、何といってもその安さだ。仮想化ソフト開発のシトリックス・システムズ・ジャパンの調べでは、例えば、平均的な企業で1人の管理者が管理するサーバー数は100台ほどだが、Googleはおよそ2万台。規模のメリットを前面に出す(図参照)。大手SIerやハードベンダーからは、「パブリッククラウドをベースとしたSIはサービス単価が安すぎて、売りが立たない」(大手SIer幹部)と、消極的な声が聞こえてくる。サイオスは、大手ライバル他社の間隙を突く形で、ビジネスを大きく伸ばす。

 この7月には、SIerの日本オフィス・システム(NOS、尾崎嵩会長)と組んで、横浜YMCAの夏期プログラムの予約受付システムをGoogle App Engine上に構築したと発表。他にもAmazon EC2上で多数のシステム構築を手がける。民間企業からの受注実績は、まだ10社弱と少ないが、「引き合いは非常に強い」(喜多社長)と、手応えを感じている。企業向けの導入で課題となるセキュリティや、障害発生時に素早く代替サービスへ切り替える仕組みなどを強化していくことで、来年以降、一般企業向けのクラウドSIも本格的に拡大。ビジネス伸張を狙う。(安藤章司)