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サイベース DWH向けDB新版

2009/08/10 21:37

週刊BCN 2009年08月10日vol.1296掲載

初の中小・中堅向けタイトルも

 サイベース(早川典之社長)は、データウェアハウス(DWH)向けデータベース(DB)の最新版「Sybase IQ 15.1」を11月初旬に発売する。ビジネスインテリジェンス(BI)用サーバーのパフォーマンスを向上させるための新機能などを付加。新版から従来の大規模向けタイトルだけでなく、中堅・中小企業(SMB)タイトルを用意し、新版投入で大企業だけでなくSMB市場にも攻め入る。

 「Sybase IQ 15.1」は、独自のアーキテクチャによる大量のデータを高速集計・分析する機能をもつDWH向けDB。全世界で1650社、3000システムを販売した実績がある。新版の有力機能は「インデータべース分析」で、従来BIアプリケーション側で実行していた予測分析などのデータ処理を「Sybase IQ 15.1」で処理することで、BIシステムの運用負荷を軽減し、高速処理を可能にした。このほか、クエリ性能やデータ・ロード速度を向上させた点や、ソフトベースの製品でありハードに依存しないため拡張性に富んでいることを訴求していく。

 また、従来は1タイトルだったラインアップを新版から2タイトルに拡充。従来の大規模DWH向けタイトルに加え、中堅・中小規模向けタイトル「Sybase IQ Small Business Editon(SBE)」を用意した。大企業の1部門や中堅・中小企業の利用を想定し、大企業が中心だった顧客層のすそ野拡大に挑む考えだ。

 7月中旬に開いたパートナー向けイベントで早川社長は、「過去のBIシステムは、経営幹部などの限られた少数の人しか利用していなかったが、今はマーケティング担当者など大企業では数百人の従業員が利用するようになった。今後は、ほぼすべての従業員が使う業務システムになる」とBIの需要が高まることを説明。そのうえで、「多くのユーザー企業が、より大量・多様なデータをより高速に、より低コストで分析したいと願っている。高速処理と、他社が推進するアプライアンス型に比べて、データ容量に増加に合わせて容易にシステムを拡張できるソフト製品をもつサイベースは優位性が高い」と、他社のアプライアンス製品に比べて優れていることを強調した。(木村剛士)
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