ディーリンクとの協業で製品化

 ストレージ専業ベンダーのニューテック(笠原康人社長)は、iSCSIに対応したストレージ機器「D-Link DSN-110」シリーズを発売した。同製品は、スイッチメーカーのディーリンクとのコラボレーションで開発したもの。大規模システムだけでなく、小規模システムでも仮想OSストレージ環境を構築できることを売りに拡販を図っていく。

 ニューテックが「D-Link DSN-110」を開発したのは、ユーザー企業から要望があったためだ。同社は、これまで10ギガビット・イーサネットに対応したiSCSIストレージ「AQULIA」を販売していた。同製品で大規模システムを中心にユーザー企業を獲得。SMB(中堅・中小企業)にも拡販を図ろうとしたところ、「価格面で障壁が高かった」(柳瀬博文・営業本部営業技術部長)という。そこで、さほど機能を変えずに低価格を追求。台湾のスイッチメーカーであるディーリンクがiSCSIストレージのきょう体を開発していたことから、日本市場向けに製品化して投入する話を持ちかけた。すでに日本市場でスイッチを中心にビジネスを手がけているディーリンクにとっては、ストレージ専業ベンダーとのコラボレーションで製品を市場投入できれば事業領域が広がることになる。双方にとってメリットが大きいとの判断で、両社はアライアンスを組むこととなった。

 製品の特徴は、小規模システムで使えるようにデスクトップ型のきょう体に仕上げているほか、1ギガビット・イーサネットのiSCSIホストインタフェースを4ポート搭載していることなどだ。容量は、250GBと500GB、1TBを用意している。コントローラは「AQULIA」と同じ米iStor社が開発した「ASIC iSNP8008」を採用した。ソフトウェアは、標準でウェブベースでの構成管理機能が付いているほか、ストレージ仮想化にも対応できる。現在、250GBで23万8000円、500GBで25万8000円、1TBで29万8000円などといった、限定100台のキャンペーンを実施している。

 販路については、従来から同社製品を販売していた大手ディストリビュータを活用し、全国規模で拡販していく方針だ。また、ディーリンクが販社として獲得しているネットワーク系インテグレータ経由で提供することも計画している。「ディーリンクの販売パートナーが売りやすい環境を整える」としている。サポートについては、ニューテックが全面的に担当する。

 ユーザー企業のIT投資意欲が薄れているとの見方が強い市場環境だが、ストレージ機器に関してはSMBを中心に導入意欲が高まっているのが実際のところだ。ニューテックでは、こうした流れを把握し、SMBが購入しやすい製品を開発したことになる。売上高については、「今年度(2010年2月期)に1億円規模を目指す」方針を掲げている。(佐相彰彦)