NEC(矢野薫社長)、カシオ計算機(樫尾和雄社長)、日立製作所(川村隆社長)の3社は9月14日、2010年4月に各社の携帯電話端末事業を統合し、新会社「NECカシオ モバイルコミュニケーションズ」を設立すると発表。同日、都内で合同記者会見を開いた。

左から、カシオ日立モバイルコミュニケーションズ 取締役社長の大石健樹氏、NEC 取締役 執行役員専務の大武章人氏、カシオ計算機 常務取締役の高木明徳氏、日立製作所 コンシューマ業務本部長の渡邊修徳氏

 新会社には、NECの携帯電話端末事業部門のモバイルターミナル事業本部と、カシオ計算機と日立製作所が共同出資した携帯電話端末事業会社「カシオ日立モバイルコミュニケーションズ(CHMC)」の販売・開発・製造・保守等の全事業を統合。神奈川県川崎市のNEC玉川事業場内に設立する。当初の資本金は10億円で、2010年6月までに50億円に増資する予定。増資後の出資比率は、NECが70.74%、カシオが20%、日立が9.26%。役員はNECから6名、カシオから2名を派遣し、代表取締役はNECが指名する。従業員数は約1300名。

 会見で大武章人・NEC 取締役 執行役員専務は、「国内の携帯電話市場は、07年には5000万台だったが、08年は3600万台、09年は3000万台近辺と予想され、急速に縮小している。生き残るのは難しい状況だ。一方、世界市場は通信規格『3G+LTE』の領域が拡大しており、先端技術に強い日本メーカーがもう一度参入するチャンスがある。今回の統合により、国内市場で確固たる地位を築き、またグローバル市場での事業拡大を図る」と統合の目的を語った。

大武章人・NEC 取締役 執行役員専務

 各社の08年の携帯電話事業の概要は、NECが売上高2314億円、出荷台数510万で、主な顧客はNTTドコモとソフトバンクモバイル。CHMCが売上高1570億円、出荷台数380万台で、主要顧客は国内がKDDIとソフトバンクモバイル、海外は北米・ベライゾンワイヤレス、韓国・LG Telecomとなっている。

新会社は国内シェアNo.1、海外比率の拡大を目指す

 NECは世界で初めて第3世代の通信方式「W-CDMA」対応端末および3.5世代「HSDPA」対応端末を商品化。また、3.9世代「LTE/Super 3G」の通信プラットフォーム技術開発を推進するなど、通信技術に長けている。一方CHMCは、カシオ計算機のカメラ・防水技術、日立製作所の映像関係の技術を保有しており、防水・耐衝撃のジャンルにおいて、北米市場で確固たるポジションとブランドを確立している。

 大武氏は「(3社の事業統合により)まず国内のリーディングポジションを確保する。08年の業績では、NECとCHMC両社のシェアを合わせて19%。これを数年でなんとかNo.1の地位にまで持っていく。また、2012年までに海外比率を拡大し、内訳で700万台を国内、500万台を海外として1200万台を目指したい。3社は、補完関係を築けるベストパートナーだと思っている」とコメント。また「新会社の製品はそれぞれのブランドを活用することが重要だ」との考えを示した。

大石健樹・カシオ日立モバイルコミュニケーションズ 取締役社長

 これを受けて、大石健樹・カシオ日立モバイルコミュニケーションズ 取締役社長は「(CHMC)は、タフ・防水なら『G'z One』、映像マルチメディアは『Wooo』、カメラでは『EXILIM』という個性的なブランドを保有している。こういったブランドを持ってして、(ブランド名を聞いただけで)ユーザーに価値が伝わるということを目指していきたい」と新会社に対する意欲をみせた。