富士ゼロックス(山本忠人社長)は、コンビニに設置されたコピー機で電子ファイルなどを印刷する「ネットプリント」サービスを企業向けに拡大する。セールスフォース・ドットコムのCRM(顧客情報管理)と日本オプロの帳票生成・配信サービスを使う仕組みを構築。外出先のモバイルパソコンから「セブン-イレブン」の複合機で見積書や各種帳票などをプリントアウトできるようにした。富士ゼロックスは、両アプリケーションを導入する企業ユーザーへのオプション提供を本格化させるほか、将来的に他のアプリケーションベンダーとの連携も模索する。

 「ネットプリント」は、富士ゼロックスとセブン─イレブン・ジャパンの共同運営で、2003年に開始した。「セブン─イレブン」の全店舗(1万2467店=09年8月現在)のマルチコピー機からインターネットを介して電子ファイルなどをプリントできる。現在、「ネットプリント」の登録者は数十万人にのぼる。このうち、約6割のユーザーは仕事で活用しているという。

 今回提供を開始したのは、企業単位の利用を拡大するためのSaaS型サービスだ。外出先のモバイルパソコンからセールスフォース・ドットコムのCRMにアクセスし、見積書や各種帳票類を同アプリケーションで動作する日本オプロの帳票生成・配信サービス「OPROARTS(オプロアーツ)for Salesforce」で作成し、自動生成されたアクセス番号をコンビニのコピー機画面に打ち込むことで安全に印刷できる。

 富士ゼロックスは、「外出先で緊急に印刷するニーズは高い。パソコンやスマートフォンなどを使ったモバイルワーカーが増えており、企業単位での需要がある。顧客と顧客の動線上にあるプリント環境だ」(矢頭文雄・商業営業部/多店舗ビジネスグループ事業企画チームマネジャー)としており、ビジネススタイルの変化に応じたソリューションであると強調する。

 今回の仕組みは、まずセールスフォース・ドットコムや日本オプロのアプリケーションを利用する企業ユーザーに対してオプションで無償提供する。将来的には、両社以外で同様のSaaSアプリケーションなどをもつベンダーとのアライアンスも視野に入れる。「両製品を販売提供するベンダーには、ユーザー企業に新たな付加価値を提供できる」(同)と、セールスフォース製品を扱うSIerなどに対して利用を促す。

 「ネットプリント」の利用枚数は、毎年1.5倍の勢いで拡大中。企業単位での展開で、これを2倍程度に加速させることを目指す。(谷畑良胤)

矢頭文雄 マネジャー