静岡県に本社を置き、3次元データの有効活用を目的としたアプリケーションの開発・販売を展開しているシーセット(指野俊浩社長)は、景気後退の影響で売り上げが伸び悩むなか、ユーザー企業の現場の意見を吸い上げ、サポートを強化したりパートナー企業を厳選したりすることで生き残りを図る。

指野俊浩社長
 同社は、ジャパンマテリアルの100%出資子会社で、2000年の設立から創業10年を迎えた。創業から5~6年は、ライセンスの販売は直販がメインだったが、現在は再販やカスタマイズ、OEMが中心。パートナー企業は大塚商会を筆頭に、キヤノンITソリューションズやソフトバンクBB、システムクリエイトなど30社が揃う。ライセンスユーザーの7割を中小企業が占め、保有数ではニコンや矢崎部品、オムロン、キヤノン、日産自動車などの大手メーカーの名が上位に連なる。

 パートナー企業の厳選方針やエンドユーザーと直接接点をもとうとする試みは、景気後退の対策として打ち出した。いわば原点回帰といえる。

 同社の製品は、低コストを売りの一つにしている折り、「パートナー企業は利益率を考えて、高額な製品のほうに力を入れて販売してしまう」と指野社長は悩みを打ち明ける。構造的不況に陥っている国内の製造業は、不振と低迷から抜け出せず、同社にとって厳しい状況が続く。現場の派遣社員が活用していることが多いため、派遣切りで導入本数が減る結果となっているという。下請けの受注状況は減少傾向が続いている。

 「CAD業界全体では売り上げの50~60%減が実際のところだろう。それに比べて当社は、15~20%減で奮闘している」。製品サポートの継続率は、85%以上であると胸を張る。製造業は海外に拠点を移していることもあり、英語版の引き合いがあるという。

 製品ラインアップに据えるのは、3次元CADデータのトランスレート・高精度計測と図面化を可能とする「3D Tascal」を中心に、3次元プレゼンテーションビューワ「Aiview/3DR」とデータトランスレータ「Dax Man」の3製品。「現場サイドが使いやすいようにユーザーニーズを拾った製品を投入してきた。CADとCAMのつなぎになる」。指野社長は、「CADとCAMの間のニッチなところを狙っている」と同社製品の位置づけを語る。

 競合は海外製品が多く、国産メーカーは富士通などで数が少ない。「国内ベンダーは、八方美人のところがある。中途半端に、2次元の分野から3次元に参入した」。その結果、先行する外資系メーカーの後塵を拝すことになっていると指摘する。

 指野社長は、「ユーザーの3割から4割は、自動車関連。エコ系の増産を期待する。家電では、すでにデジカメが回復基調にあり、新しいユーザーとしては、パチンコメーカーが出てきている」と話す。2011年1~3月が回復時期になると見込んでいる。(信澤健太)