IFSジャパン(ステファン・グスタフソン社長)は、中堅・中小企業(SMB)市場の開拓に乗り出している。直近では、2009年に独立系SIerの日本自動化開発(JAD)とパートナー契約を締結し、販売管理と生産管理を中心に販売を開始。面屋友則・営業統括部長は「昨年から第2弾のパートナー戦略が始まった」と、強い意気込みを語る。今後は、毎年2~3社程度のパートナーを増やしていく方針だ。

面屋友則 営業統括部長
 IFSジャパンは、スウェーデンに本社を置き、コンポーネントベースのERP(統合基幹業務システム)「IFS Applications」を展開している。日本法人の設立は1997年で、販路は再販のみ。海外に比べて、日本はカスタマイズの比重が高いことがその理由だ。設立以来、NECがビッグパートナーで、全体の導入実績のうち9割を占める。そのほか、東洋エンジニアリングや日本IBMなど、あわせて10社程度がその一翼を担う。

 ユーザー企業数は、現状で50社、70サイトにとどまり、他社に比べて見劣りすることは否めない。その内訳をみると、大企業が中心となっているが、すでに「大企業向けERPは一巡している」(面屋部長)ため、SMB市場に活路を見出したい考えだ。

 もともと同社にとって、国内のユーザー企業は自動車・自動車部品製造、機械・機器製造業が中心。未開拓だったプロセス産業や建設・保守、サービス管理なども取り込んでいく意向を示しており、業種と企業規模の両軸でユーザーのすそ野を広げる。まずは、JADとの業務提携でSMB市場開拓に弾みをつける。

 とはいえ、パートナー増強にあたっては、慎重な姿勢で臨んでいる。SIerの多くは、他社のパッケージも取り扱う。つまり、販売実績を伴わない“移り気”なパートナーを避けたいのだ。拙速を避け、厳選方針を採用しているといえるが、これが吉と出るかどうかは未知数だ。

 そもそも、なぜ2009年にパートナー戦略の強化に着手したのか。これには、同社固有の事情が絡んでいる。2006年にVer.7.0を発表するまでは、1年半ごとにバージョンアップしてきた。ただ、アジアや南米など地域ごとにバラツキがあった。これをグローバルレベルでVer7.0に統合。「一世代で安定させた後」(面屋部長)、2008年に業種別の機能強化を図った最新版のVer7.5を投入した。製品面の不安が解消されたことで、パートナーとの関係強化に目を向ける準備が整ったというわけだ。

 面屋部長は、「ユーザー企業が海外進出し、日本でグローバルガバナンスが必要な場合に、強みを発揮するコンポーネントだ」と、同社の優位性を訴える。国産ベンダーよりもSAPやオラクルなどの外資系ベンダーが競合にあたるが、知名度の違いと実績の差は大きい。SMB市場は競争が厳しさを増しているだけに、同社にとっての正念場はこれからといえそうだ。(信澤健太)