情報通信機器の販売、保守サービスなどを手掛けるティ・アイ・ディ(TID、竹内猛社長)は、同社のストレージ製品「MassCareRAID(マスカレイド)」の新版で、自己暗号化ディスク(SED)専用ストレージを搭載した「MassCareRAID SED」の提供を開始した。搭載したHDD自体が自己暗号化を実行するストレージは「日本初」としている。パートナーを通じて、CADデータなど重要データを取り扱う製造業、医療機関などを中心に初年度(2011年3月期)1億円の売り上げを見込んでいる。

 TIDは、6月にソリューションページをリニューアルし、製品の訴求を始めた結果、サイトを閲覧したSIerなどから多くの引き合いが来ているという。拡販に当たり、アライアンス施策を推進。直近ではストレージ、ネットワークやソフトウェアの販売を手掛けるシーエルシーが展開する統合バックアップソリューション「CommVault」と組み合わせたソリューション販売を開始している。今後も「特定の業界を得意とするパートナーなどとの協業を進めていきたい」(ビジネスソリューショングループ マーケティングチームの本柳克敏氏)としている。

 従来、格納するデータを暗号化する場合、暗号化専用のソフトウェアなどを別途購入して実行するのが一般的だが、サーバーに負荷がかかるため、暗号化処理のパフォーマンスが劣化しやすいという弱点があった。それだけではなく、別途、暗号化製品の購入費用がかかるなど、コストが高くついていた。また、古くなったストレージを廃棄する場合には、格納データを消去するために物理破壊する作業が発生していた。

 TIDでは製造業の顧客などにヒアリングを行った結果、「CADデータを取り扱う現場で、セキュリティを高めたいとの要望があった」(ビジネスソリューショングループ パートナーセールスBチームの河西雄一郎・チームリーダー)ことから、製造業における設計図や、医療関係の重要データを暗号化できる「MassCareRAID SED」の提供を開始した。

 「MassCareRAID SED」は、搭載したHDD自体が自己暗号化を実行する製品で、暗号化しない場合と比較しても、パフォーマンスを劣化させずに暗号化を実現するのが特徴。また、ディスクの破棄時にドライブの上書きや物理的な破壊を行う必要がないほか、暗号化製品を別途購入せずに済むため、低コストで暗号化を行えるのが強みだ。(鍋島蓉子)

パートナーセールスBチームの河西雄一郎・チームリーダー(右)とマーケティングチームの本柳克敏氏