コニカミノルタグループ会社の柯尼卡美能達軟件開発(大連)(太田健総経理)は、コニカミノルタのプリンタや複合機といったオフィス機器に組み込まれるソフトウェアの品質評価を事業としている。2007年5月に従業員数35人で設立し、昨年末には約500人にまで規模を拡大。現在は、同社がグローバルで提供する全オフィス機器の95%の品質評価を手がけるまでに成長している。

太田健
総経理
 中国では人件費高騰や円安元高でコストが上昇。柯尼卡美能達軟件開発(大連)も、設立当初は日本の約50%弱だった人件費が70%程度まで上昇しているが、太田総経理は「拠点の移設は検討しない。人件費の高騰以上に大連のメリットが大きいからだ」という。

 太田総経理が挙げるメリットは主に三つ。一つは政府の優遇策だ。例えば、同社が拠点を構える大連アセンダスITパークは、保税の対象地区となっている。品質評価用のオフィス機器を輸出入する際に、関税が不要となるメリットは大きい。

 二つ目は、大連で働く人の気質が品質評価に向いていること。太田総経理は「寒冷な東北地域の人々は忍耐強い。ある企業が、北海道と沖縄に品質評価の拠点を設けたところ、北海道のほうが高品質な評価を行った例もある」という。

 三つ目は、人材確保のしやすさ。大連は、日本語を話せるIT人材が多い。オフショア開発企業の間では、人材流動が活発化しているが、太田総経理は「品質評価では競合が少なく、人材の奪い合いになりにくい」と説明する。

 柯尼卡美能達軟件開発(大連)では、今後、品質評価の技術力向上や、システム導入などによる業務の効率化を推進していく。将来は、中国で販売するオフィス機器向けのソフトウェアローカライズなど、開発業務も行っていく方針。(真鍋武)