【上海発】キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)の現地法人、佳能信息系統(上海)(伊藤正紀総経理)は、センサとネットワークカメラを組み合わせた防犯・防火対策システムを、現地パートナーと連携して開発した。4月に、瀋陽市の消防局が管轄している製品認可の審査に申請した。認可を得れば、5月中にも出荷を開始する見込みだ。(真鍋武)

伊藤正紀
総経理
 佳能信息系統(上海)は、キヤノンITSの100%出資子会社で、現在の従業員数は約60人。もともと対日オフショア開発を主要ビジネスとしていたが、およそ4年前から中国国内向けのビジネスに注力しており、自社開発のICタグを利用した「正規品判定システム」や、ネットワークカメラソリューションなどの製品を、キヤノン(中国)と連携しながら、現地ローカル企業を中心に販売している。現在、顧客に占めるローカル企業比率は、9割程度となっている。

 新たに開発した防犯・防火対策システムでは、熱や煙、火などをセンサによって検知し、検知したエリアをネットワークカメラが自動で撮影する。これを管理者が遠隔地からモニタリングすることで、火災の防止につなげることができる。

 販売ターゲットは中国の公園だ。伊藤総経理によると、「中国には、仏像などの重要文化財を保有する公園が3000ほどある」という。こうした公園の多くは、すでにネットワークカメラを設置して文化財の監視などを行っているが、カメラだけでは、実際に火災が発生した後でしか対応ができないため、火災の発生前に異常を検知できるシステムのニーズが高いという。

 すでに佳能信息系統(上海)では、紅葉の名所として知られる北京市の香山公園で、実機を使ったデモ試験を実施中。伊藤総経理は、「香山公園の事例をモデルケースとして横展開したい。香山公園は、中国全土の公園管理者が視察に来る有名な公園で、ここにシステムを導入することには大きな意味がある」と説明する。重要文化財を保有する公園と強いコネクションをもつ現地パートナーと連携しながら、中国全土に拡販していく構想だ。

 佳能信息系統(上海)では、2019年度(19年12月期)の売上高20億円を目標に掲げている。